2014年2月22日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
本作は実話を基にしたアニメーション映画で、第二次世界大戦直後の色丹島の人々の様子が描かれています。戦時中の話や島に駐在していた兵士たちがシベリアに送られたという話は知っていましたが、敗戦直後にソ連軍に島を占拠された人々の様子については詳しく知らなかったので、この映画を観て知ることもたくさんありました。ただ本作は主人公である10歳と7歳の兄弟の目線で描かれており、島に移り住んできたロシアの子どもたちとの交流のシーンがあったり、宮沢賢治の童話【銀河鉄道の夜】の列車が兄弟の夢の象徴として登場するシーンなどもありました。なので現実に起こった出来事がきちんと伝わってくると同時に、微笑ましい場面がちょうど良く入っていたので観やすかったです。 兄弟の声を担当したのは、横山幸汰(兄役)と谷合純矢(弟役)で、2人の無邪気な声がこの映画にすごく合っていました。そのほかの大人たちの声は市村正親、仲間由紀恵、ユースケ・サンタマリア、北島三郎などの有名な方ばかりが担当しています。時代に翻弄されていく島の人々の運命には切なさを感じましたが、作り手の「後世に語り継ぐべき事実を伝えたい」というメッセージを感じる心温まる作品です。ぜひ観てみてください。 |
もし初デートでこの作品を誘うとなると、相手は「なぜこの作品?」と思うかも知れないので、デートに誘うときはきちんとこの映画で何が描かれているのかを説明した上で観に行くことをオススメします。正直この作品はデートで観て盛り上がるタイプではありませんが、知っておくべきことが描かれているので、敢えて観てたまには真面目に歴史について話し合ってみるのも良いかも知れません。 |
後世を継ぐキッズとティーンに向けて作られている映画とも言えるのでぜひ観てください。キッズには時代背景を理解するのが難しいかも知れませんが、主人公が小学生の兄弟なので、わかる範囲で兄弟の気持ちに寄り添って観てください。中学生以上のティーンは、島を追われてしまう人々の気持ちや時代背景に注目して観てください。歴史を知ると同時にきっと現代に生きる自分たちがいかに幸せなのかも実感できると思いますよ。 |
関連記事:
■初日舞台挨拶、市村正親、仲間由紀恵、横山幸汰、谷合純矢、杉田成道(原作、脚本)、西久保瑞穂監督
© JAME
2014.2.12 TEXT by Shamy