童貞のまま30歳を迎えると魔法使いになるという都市伝説の通りに、魔法使いになってしまう男性の物語。いかにも強く、カッコイイヒーローというのではなく、“30歳を超えても童貞”という条件にハマった者が特殊な能力をつけて、それをどう使うかも自分次第という、異色のヒーローです。ヒーローコスチュームも自前で、良い具合にダサさがあるので親近感が湧くと同時に、意外にちゃんと空を飛べたり、活躍が認められて人気者になったり、主人公のように普段日陰に追いやられていそうな人が活躍する姿に共感できます。主人公の“魔法使い”としてのパワーでなく、人柄が功を奏する展開にも希望を感じるし、全体的に人の優しさに包まれた世界観で、ほっこりできますよ。
“童貞”とか“バージン”というキーワードが出てくるので、気まずくなるような内容かと思われる人もいるかも知れませんが、そういう生々しいシーンはなく、SFラブファンタジーという感じで、気楽に観られます。そして敢えて、男性が童貞であることを気にしていて前に踏み出せないカップルがいたら、一緒に観ると、少し緊張がほぐれるのではないでしょうか。
特にティーンの男子は、こういうことを気にしたり、話題にするお年頃でしょうかね。魔法使いになれるんだったら、それもおもしろそうだなと思える内容で、十代まではまだそんなに切羽詰まる必要もないので、気楽に観てください。童貞が何のことかまだわからないキッズは、性教育で教わるか、自然にどこからともなく知識を得るかするまで、もうちょっと待ちましょう(笑)。
『魔法少年☆ワイルドバージン』
2019年12月6日より全国順次公開
Vandalism
公式サイト
TEXT by Myson
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