エドワード・ノートンが監督、脚本、製作、主演を務めている作品で、ブルース・ウィリス、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォーが脇を固める渋くてクールな作品です。エドワード・ノートンが演じる主人公ライオネル・エスログは、チック症を抱えながらも驚異の記憶力を持つ私立探偵で、キャラクター設定がとてもユニークです。チック症の症状は自分で抑えることができないので、緊張感のある場面で思わず声が出てしまったり、ハラハラドキドキ。そこがちょっと笑えたり、逆に緊張感が高まったり、彼自身の人間性が見えたり、探偵ものに留まらない人間ドラマとしての厚みをもたらしています。また謎を解明するおもしろさはもちろん、それを政治的な駆け引きにどう使うのかも見どころ。人の弱点、プロジェクトの弱点、それをどう突いていくのか、主人公による頭脳戦を楽しんでください。
男性好みの世界観ではありますが、女性キャラクターがキーパーソンになっていて、さりげない流れでラブストーリーも入ってくるので、女性でも楽しめるでしょう。ただ、映画を普段あまり観ない人にとっては、144分の長さと、淡々と進むストーリーは少々ハードルが高いかも知れません。初デートでは避けるのが無難、映画好きカップルなら良いと思います。
大人向けの渋い内容で、上映時間も長めなので、オススメするとしたら大学生以上かなと思います。いろいろな問題が同時進行していて、一体何を追っているのかわからなくなる展開も含めて、このサスペンスのおもしろさではありますが、その裏にあるカラクリが見えるまで少々辛抱が必要ではあるので、集中力が持てそうな時に観ることをオススメします。
『マザーレス・ブルックリン』
2020年1月10日より全国公開
PG-12
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
TEXT by Myson
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