恋が始まった時は男と女、それが夫婦になって、お互いの存在がだんだん当たり前になってくる。時に夫婦としての会話が煩わしくなったり、なぜだか距離を置こうとしたり…、そんな男女関係における変遷を生々しく描いています。同時に、お互いに傷付け合うけれどそれはまだ相手がいない寂しさを感じる部分が残っているからで、そんな亀裂をきっかけとした夫婦の修復の可能性も客観的に観るおもしろさがあります。ネタバレになるので詳しくはいえませんが、本作ではエロティシズムが重要な鍵になっていて、愛とエロティシズムの関係がユニークに表現されています。そして、高橋一生と蒼井優の艶かしく、ユーモラスな演技によって、さらに魅力的で親近感のある世界観になっています。「色気って何だっけ?」となってしまっている方は、ぜひ本作で取り戻しましょう(笑)。
キャラクター、ストーリー設定上、エッチなシーンや話題が出てくるので、初デートには向いていません。男と女の関係になったばかりで盛り上がっているカップルには、今後についての注意点が参考になるでしょうし、マンネリカップルには、忘れていた気持ちを思い出すきっかけになるでしょう。どんなに2人の距離が近づいて、どんなに長く一緒にいることになっても、お互い男と女であることを意識したいと感じているカップルはぜひ一緒に観てください。
PG-12なので大人と一緒なら12歳未満でも観られますが、「あれ、なーにー?」「それ、何するやつ?」と聞かれた大人が困ります(笑)。今説明すべきか、そして根本的に性教育をどこまでしているかにも寄るし、そもそも大人向けのストーリーなので、大人になって、いくつか恋をしてから観たほうがより感情移入できるでしょう。
『ロマンスドール』
2020年1月24日より全国公開
PG-12
KADOKAWA
公式サイト
TEXT by Myson
©2019「ロマンスドール」製作委員会