本作は現役の医師で小説家の知念実希人の「仮面病棟」を映画化。物語の舞台となる田所病院は、もともと精神科病院だった病棟を使っているということで、設備からして閉鎖的な空気が流れていて、どこか不気味です。そこで収容されている患者さん達も何かワケありというのが伝わってくるなか、強盗犯が人質を連れて立てこもる事態が発生。最初はこの強盗犯との頭脳戦に見えますが、それだけに終わらないミステリーが潜んでいる点でとても引き込まれます。徐々に「この人、何か怪しい」というのが出てきたり、「この偶然は?」とちょうど良い程度のヒントが出てきて、謎解きの楽しさが存分に味わえます。ラストは“仮面病棟”ってそういう意味か〜とわかってスッキリ。ホロッとする要素もあって、人間ドラマとしても見応えがあります。坂口健太郎が演じる医者が、探偵並みの鋭さを持つ上に、機転が利きまくりで、ちらっとマッチョ感を漂わせつつ、ジェントルマンなので惚れる女子続出でしょう(笑)。
カップルで観て気まずいストーリーではないし、ハラハラドキドキするので、それなりの吊り橋効果も期待できて、デートで観るのにピッタリでしょう。登場人物が限られている分、ミステリーを観慣れていない人でもついていきやすい内容です。観終わった後は、どこで真相に気付いたかなど会話も盛り上がるでしょう。
キッズやティーンの皆さんは、ミステリーが好きな人も多いのではないでしょうか?家族や友達と観に行くと、終わってからお互いの推理方法などを話し合えて楽しいでしょう。病院が舞台ではありますが、難しい医療用語が飛び交うわけではないので、小学校高学年以上なら充分理解できるのではと思います。
『仮面病棟』
2020年3月6日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©2020 映画「仮面病棟」製作委員会
TEXT by Myson