前半は、高校生男女4人組のややこしい四角関係が展開されていき、さらに朱里と理央の複雑な関係にドギマギしてしまいます。さらに「そんな偶然あるかいな(笑)」と思いながらも、なさそうでありそうな程よくドラマチックな設定に皆さんも引き込まれていくはずです。物語のメインはとある2人のややこしい関係がどうなるかという話なのかなと思ったところで、予想外の展開にになり、それが潔くもあり現実的な展開だからこそ、「じゃあ、この4人はどうなるの?」と改めて、後半から新鮮な気持ちで観られます。「フラれるのがわかっていても告白する?」「いっそフラれたほうが前に進める?」というような恋愛観を問う内容が、主人公達と同じ世代のティーンの心を掴むのはもちろん、大人も一旦立ち止まってピュアなティーンの恋愛初心者の気持ちに立ち戻って考えられるのも新鮮。そして、恋愛だけでなく、家族や進路について悩む姿にもドラマがあり、どんな世代でもいろいろな視点で観ることができます。浜辺美波と北村匠海の『君の膵臓をたべたい』コンビの再共演も見どころの1つですが、第8回東宝シンデレラでグランプリを受賞した福本莉子、仮面ライダー出身の赤楚衛二のフレッシュな演技も見もので、今後の活躍が楽しみです。
10代のカップルは等身大で観られる一方で、ティーンの恋愛にはお約束の三角関係や四角関係という状況にまさに真っ只中のカップルは、今付き合っている人以外に気持ちが残っていたり、別の人が気になりだしている状態で観ると、複雑な思いが込み上げるかも知れません。でも、とても清々しい青春ものなので、「こういうのもアリだな」と逆に吹っ切れることもありそうです。自分の性格上、どんな影響を受けそうか考えて、デートで観るか、友達と観るか決めてはどうでしょうか。
若者に人気の俳優が揃っているし、テーマやストーリー的にティーン向けなので、わざわざオススメしなくても興味を持つ人は多そうですね。恋愛のキュンキュンはもちろん、友達同士のキュンキュンや、家族の問題で悩むキュンキュンもあり、等身大で物語の世界に入り込めると思います。自分の恋愛観を考えるきっかけにもなるし、進路を考える上でも勇気をもらえるので、ぜひ観てみてください。
『思い、思われ、ふり、ふられ』(実写映画版)
2020年8月14日より全国公開
東宝
公式サイト
© 2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 © 咲坂伊緒/集英社
TEXT by Myson