イギリスの郊外で静かにひとり暮らしをしていた80代のジョーンの元へ、ある日突然MI5がやってきて逮捕されてしまいます。ジョーンは、ロシアに機密情報を流したというスパイ容疑で捕まり、そこから彼女の取り調べの様子と若かりし頃の物語が同時進行していきます。本作は実話を基にした物語で、ジョーンのモデルは、メリタ・ノーウッドという実際にKGBのスパイだった方だそうです。公式サイトでのメリタについての記述を見ていると、実際の内容と本作とで少し違う部分もあるようですが、やはり衝撃なのは、どこにでもいそうなご近所のおばあちゃんが実は元スパイだったという点。そして、ジョーンの過去パートを観ていると、意外と恋愛も影響していることがわかり、女性目線で観ているとより心が揺さぶられます。
80代のジョーンを演じたジュディ・デンチが本作に重厚感を与えているのはもちろん、過去パートに登場するソフィー・クックソンやトム・ヒューズの魅力的な演技も見逃せません。ジョーンがなぜスパイ行動に及んだのか、その真実をぜひ本作でご覧ください。
恋愛がメインの物語ではありませんが、若かりし頃のジョーンの恋愛は、本作の重要な鍵となっているので、ぜひ注目して観て欲しいです。ジョーンはあることをきっかけにレオという男性と出会います。カッコ良くてしっかり者のレオにジョーンが惚れるのも無理はないのですが、彼もジョーンを好きなのか、ただ利用しているのかわからないという点はやはり問題。ジョーンの恋の行方は本作をご覧頂くとして、皆さんは恋に盲目になってしまったり、自分を見失わないように気を付けてくださいね。
PG-12なので保護者同伴ならキッズでも観られますが、歴史が関係する物語なのでできれば中学生以上になってから観ることをオススメします。ティーンの場合は、観賞後にぜひジョーンの考えや行動が正しかったのかどうか考えてみてください。また、鑑賞中にわからなかった言葉を調べてみたり、ジョーンのモデルとなったメリタ・ノーウッドについて調べるのも歴史の良い勉強になると思います。
『ジョーンの秘密』
2020年8月7日より全国公開
PG-12
キノフィルムズ
公式サイト
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TEXT by Shamy