人気シリーズである本作は今回で8作目。実はこのシリーズのことはもちろん知っていましたが、本編を観たのは今作で初めてでした。というわけでこれまでのいきさつは知らずに観ましたが、今作だけ観ても充分楽しめます。本シリーズは、トム・ベレンジャーが演じるトーマス・ベケットを主人公として始まりましたが、シリーズ4作目あたりから息子のブランドン(チャド・マイケル・コリンズ)が主人公となっているようで、今作もブランドンを主人公として、父トーマスは途中から登場します。でも、クライマックスは父トーマスのドラマの見せどころといった感じで、レジェンドに敬意を払っている構成に好感が持てます。そして、本作で注目すべきは、元AKB48の秋元才加がメインキャストとして出演しているという点です。彼女は悪役で凄腕スナイパーを演じていますが、英語も流暢で、これがハリウッド進出作とは思えない堂々たる演技を見せています。
シリーズがここまで続いている理由は何だろうと考えながら観ましたが、1番はやっぱりスナイパーのカッコ良さだろうと思います。派手でスケールの大きいアクションシーンはないものの、ジワジワとくる緊張感と、めちゃめちゃ遠くからでも仕留めてしまうスナイパーの腕の良さにビビッときます。あと、これはうがった楽しみ方になるかも知れませんが、ツッコミどころがちょいちょいあるところです。緊張感の中に、そういうちょっとしたチャーミングなシーンがあるというバランスが良いですね。最後のシーンがとても意味深だったので、今後どんな展開があるのかも要注目です。
ロマンチックな展開はありませんが、逆にそれが観やすさでもあると思うので、2人とも興味があればデートで観るのもアリでしょう。これまでのシリーズを観ていなくてもストーリーにはついていけるし、今作には秋元才加が出演しているので、親近感を持って楽しめるのではないでしょうか。上映時間も95分なので、行き先を決めていない日のデートでも、予定に入れやすいですよ。
主人公、悪役問わず、「そんなに遠くから!」っていうくらい遠距離でもターゲットを仕留めるスナイパーがとてもカッコイイし、ストーリーもシンプルなので、誰でも観やすい内容です。キッズにはちょっと渋過ぎるかなという感じで(笑)、犯罪の背後の人間関係が人物名だけだと追いにくいかも知れませんが、中学生以上なら問題なく楽しめるでしょう。
『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』
2020年8月14日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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TEXT by Myson