カトリーヌ・ドヌーヴが演じるアンドレアの誕生日の1日を描いた作品で、子どもや孫など大家族が集まって起こるドタバタが映し出されています。最初は穏やかな雰囲気で誕生日パーティーの準備が進められていますが、そこに3年前に姿を消した長女のクレールが突然現れます。母のアンドレアはクレールを温かく迎え入れますが、他の家族は戸惑い、中には嫌がる人も出てきます。観ていくうちに、クレールが厄介者扱いされる理由も見えていきますが、同時に一家の全体像が少しずつ見えて、クレール以外の問題も浮かび上がってくるのが、本作のおもしろい点です。この家族の関係性を自分や周囲の家族に照らし合わせながら観ることもできるので、決して他人事のように思えない妙な親近感も感じると思います。核家族が増えている日本でも家族全員が集まるタイミングは年に1、2回か全くないという方も多いと思いますが、本作で家族が集まる様子を客観的に観て、次回ご自身が家族で集まる時の教訓にするのも良いかもしれません。
家族にまつわるドタバタ劇が描かれているので、付き合いの長いカップルや夫婦のほうがより共感しながら観られそうです。特に結婚前のカップルの場合は、これを機にお互いの家族の雰囲気や関係性について話し合ってみるのも良いと思います。円満な家族もいれば、揉め事が起きてしまう家族もいて、家族の形も付き合い方も本当に人それぞれなので、本作を通して他の家族の中に入る疑似体験をしてみてください。
本作にはキッズも家族の一員として登場しますが、大人のいざこざを敢えて今観なくても良いのかなと思います(苦笑)。できれば中学生以上になって大人の事情がもう少し理解できるようになってから観ることをオススメします。ティーンの場合も、本作を観ていろいろな感情が湧いてくると思いますが、これを機に家族関係を良好に保つにはどうするべきか考えてみてください。
『ハッピー・バースデー 家族のいる時間』
2021年1月8日より全国順次公開
彩プロ、東京テアトル、STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト
©Les Films du Worso
TEXT by Shamy