物語は、インドで孤児院の運営をしているイザベルに、億万長者のテレサが寄付を申し出るところから始まり、その出会いをきっかけにテレサが娘の結婚式にイザベルを招待します。ビジネスで出会ったばかりの相手に急に結婚式に招待されるのは不思議に思いますが、その理由がだんだんと明らかになっていくのが本作のおもしろいところ。そして、テレサをジュリアン・ムーア、イザベルをミシェル・ウィリアムズが演じており、2人の女優の競演も見どころとなっています。また、本作は2人の女性による人間ドラマが軸となっていますが、その裏に“母”というテーマも見えてきます。あまり語るとネタバレになるので控えますが、母が子を思う気持ちの強さを感じる作品でもあり、女性ならより共感できる点も多いと思います。タイトルにもあるように、本作はある秘密にまつわる物語なので、すべてが明らかになった後に、もう一度観て各人物の言動や行動に注目するのもおもしろそうです。
特別ムードを盛り上げるタイプの作品ではありませんが、秘密が明かされていく様子を予測しながら楽しく観られるので、デートでも観て欲しい1作です。観賞後は、「こうやって予想していた」などの会話でも盛り上がると思います。また、これから結婚式を挙げようと考えているカップルなら、テレサの娘の素敵なガーデンウェディングの様子も参考にしてみてはいかがでしょうか。
小さなキッズも登場しますが、主人公は皆さんのご両親世代なので、せめて中学生になってから観たほうが、大人の気持ちも一層理解しながら観られそうです。ティーンは、イザベルとテレサ一家との関わりに注目して観てください。自分なりに展開を予想しながら観たり、それぞれのキャラクターの立場に自分を置き換えながら観ることで、人間関係の複雑さを感じると共に、親の偉大さも感じることができると思います。
『秘密への招待状』
2021年2月12日より全国順次公開
キノフィルムズ
公式サイト
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TEXT by Shamy