多くの人が子どもの頃にテレビで観ていたであろうアニメ『トムとジェリー』が、実写映画化。なんと80周年記念作品ということで、愛され続けている歴史の長さにも驚かされます。実写ですが厳密にいうと舞台となる世界が実写で、トムとジェリーや他の動物達はアニメのまま登場します。トムとジェリーの喧嘩といえば、ネズミのジェリーが知恵を働かせて猫のトムに対抗し、どちらかというと、いつもトムがやられっぱなしで、トムは何かに押し潰されてぺっちゃんこになったり、伸びたり膨らんだりと、身体が七変化する姿が印象的ですが、そんなアニメだからこその表現は健在しています。私は今作を本当に懐かしみながら観ましたが、大人になってから観ても変わらずおもしろくて、トムのやられっぷりの豪快さと、ジェリーの飛び抜けたずる賢さが笑えます。逆に大人になってから観るからこそ、2人の可愛さに癒されて、改めて“トムとジェリー”の魅力を堪能できます。
たしか子どもの頃に観ていたアニメでは、人間は姿が出てくるだけで顔は出てこず、トムとジェリーだけのやり取りが映し出されていた気がしますが、本作では、クロエ・グレース・モレッツやマイケル・ペーニャが演じる人間キャラクターとのやり取りも見どころで、人間が絡むからこそトムとジェリーの個性がより引き出されます。子どもの頃はどちらかというと小さな身体とキレる頭で対抗するジェリーを応援しながら観ていたような気がしますが、今観るとコテンパンにやられるトムが気の毒過ぎて(笑)、トムも応援したくなります。子ども向け作品と括らずに、大人にもオススメしたい1作です。
笑って、癒される作品なので、デートで観るのもオススメです。子ども向け作品だと思っている人もいるかもしれませんが、大人が観ても十分に楽しめます。また、物語はあるお金持ちカップルの結婚式が軸になっていて、そのカップルのやり取りは自分達の価値観を客観視するきっかけになるでしょう。ハラハラドキドキしつつ、ホッコリするストーリーで安心して観られるので、初デートでもOKです。
本作はキッズの皆さんが楽しめるのはもちろん、幼い頃に観てからしばらく離れていたティーンの皆さんも楽しめる内容です。トム派かジェリー派かという話で盛り上がったりするも良し、両方応援するも良しと、気楽に観られるので、友達や家族と楽しんでください。でも、本作ではいつもと違う流れも出て新鮮味も味わえるので、その点も乞うご期待!
『トムとジェリー』
2021年3月19日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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TEXT by Myson