シーズン1
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後、指パッチンで消えた人々が戻ってきた後の世界を描いた本作では、キャプテン・アメリカからファルコン(アンソニー・マッキー)に託された盾が、キーアイテムとなっています。キャプテン・アメリカことスティーブから盾を受け継いだファルコンことサムが、盾が意味する重みを考え、手放してしまうところから物語は始まります。観ているこちらも「なんで、手放しちゃうの?」と思ってしまいますが、盾の意味や重みがどれほどのものであるのかは、物語のなかで語られ、それを観るうちに納得できます。そこには、当事者とそうでない人物との感覚の違いなども描かれていますが、誰が観てもとても身近なテーマとして観ることができます。同時に、ウィンター・ソルジャーことバッキー(セバスチャン・スタン)が、過去の過ちから抜けだそうと葛藤しているなかで、超人血清ももう1つのキーアイテムとして、物語を大きく揺るがします。
このファルコンとウィンター・ソルジャー2人の物語は、キャプテン・アメリカの盾と超人血清が持つ善と悪の両側面を改めて浮き彫りにし、ヒーローとは何なのか、ヒーローに必要なものは何なのかということに一石を投じています。そこからさらに“パワー”とは何かにも言及していて、最終話には強い社会的メッセージが込められています。
そして、もちろんアクションは豪快で爽快!ファルコンが空を飛び回る姿、ウィンター・ソルジャーがパワフルに戦う姿が存分に観られて、映画さながらの迫力が味わえます。また、エミリー・ヴァンキャンプが演じるシャロン・カーター、ダニエル・ブリュールが演じるジモも登場し、予想外の展開をもたらします。全6話なのであっという間に観終わってしまいますが、内容がギュッと詰まっていて見応えがあります。とはいえ、最終話まで観るとこれは序章に過ぎないと思えるようなラストで終わるので、早く続きが観たくなること間違いナシです。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー シーズン1』
2021年3月19日よりディズニープラスにて配信中
公式サイト
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TEXT by Myson