いつも美しくカッコ良いアンジェリーナ・ジョリーですが、ごく普通の人間で純粋な英雄を演じるのを観るのは久々な気がします。森林消防隊員のハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、過去に救えなかった命を思い、その時の光景が頭から離れず長く苦しんでいます。そんな時、ハンナは父を目の前で暗殺された少年コナーと出会い、暗殺者からコナーを救うべく奮闘します。前半は2つの物語が同時進行する形で、それがどう繋がっていくのかというところで引き込まれます。暗殺者はエイダン・ギレンとニコラス・ホルトが演じていて、2人の鬼気迫る演技も見ものです。この暗殺者が予想以上に残忍で、バイオレンスシーンはハードな内容に仕上がっています。また、山火事の勢いも激しく、本当に逃げ場がなくなった状況で、ハンナとコナーがどういう結末を迎えるのか最後まで目が離せません。
ハンナとコナーのくだり以外にも、“サバイバル”要素がふんだんに散りばめられていて、護身術的な知識や大自然のなかで取るべき行動など勉強になる部分もあります。終始スリリングな展開で見応えがあり、キャストも前述の他ジョン・バーンサルが出演するなど豪華キャストという点でも魅力があり、幅広い層に楽しんでいただけると思います。
強い絆で結ばれた夫婦も登場します。もし相手が危険な目に遭ったら…と思いながら観ると、お互いに愛おしさが増すかもしれません。痛々しいシーンもちょいちょい出てくるので、その辺だけ事前に大丈夫かどうか聞いてみると良いでしょう。年齢層問わず、デートでも気兼ねなく観られる内容です。
皆さんは恐らくコナー目線でスリルを疑似体験できると思います。目の前で父親が殺されるというだけでもショッキングなのに、その後に自分も追われるという恐怖が待っています。そんななか、コナーはどんな行動を取るのかを観ながら、自分ならどうするか考えてみると、サバイバル能力がちょっと鍛えられるかもしれないですね。
『モンタナの目撃者』
2021年9月3日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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TEXT by Myson