主人公は列車事故で妻を亡くした軍人のマーカス(マッツ・ミケルセン)で、彼は残された娘のマチルデ(アンドレア・ハイク・ガデベルグ)と2人で暮らしています。そんなある日、彼のもとへ数学者のオットーとその仲間が訪ねてきて、「事故は仕組まれたものだった」とマーカスに話します。マーカスはそれをきっかけに復讐に燃えていきます。冒頭ではマーカスが、娘と心を通わせようと不器用ながらも努力する姿が観られますが、オットー達が現れてからの変貌ぶりには驚かされます。
そんなマーカスを演じたマッツ・ミケルセンは、復讐に狂う父親役を熱演。今回は短髪に髭というルックスで臨んでおり、表情や雰囲気もとても怖く、見事にマーカス役を演じきっています。また、マッツ・ミケルセンの脇を固めるニコライ・リー・コース、ラース・ブリグマン、ニコラス・ブロらが演じる個性的なキャラクター達とのコントラストも効いていて、シリアスなシーンの中にもクスッと笑える場面があるのもポイントです。
現実的に考えると復讐は決して良いことではありませんが、映画だからこそ楽しめるのが醍醐味だと思います。復讐の鬼と化して大暴れするマッツ・ミケルセンは見応え抜群ですし、思わぬ方向へと進むストーリーにハラハラしながらご覧ください。
復讐がメインの物語なので、ムードを盛り上げる要素はありませんが、ドロドロとした展開やアクション好きのカップルであれば一緒に観ても良いと思います。父と娘という点に焦点をあててみると、不器用な父の行動が可愛く見える部分もあるので、これを機にお互いの両親の話をするのもアリです。
少し残酷な描写もあるので、キッズはせめて中学生以上になってから観ることをオススメします。ティーンの場合はマーカスの娘目線で観られると思いますが、客観的に本作の娘と父のやり取りを見つめて、自分ならどうするか考えてみてください。もし親子関係がこじれてしまった時は、本作の父娘関係を思い出すと参考になる点があるかもしれません。
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』
2022年1月21日より全国公開
PG-12
クロックワークス
公式サイト
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TEXT by Shamy