ストーリーが実にシンプルで清々しい!本作は、人間vsライオンに徹しています。イドリス・エルバが演じる医師のネイト・ダニエルズは、2人の娘を連れて、亡き妻と出会った場所、南アフリカに旅をします。ダニエルズ親子が旧友で生物学者のマーティン(シャールト・コプリー)に会いに狩猟禁止保護区を訪ねたまでは良かったものの、大自然を堪能するはずの旅は予期せぬ方向に向かいます。
ポスタービジュアルから想像される通り、彼等はライオンとの死闘を繰り広げます。ライオンに襲われたらひとたまりもないということは誰にでも想像ができますが、何が1番怖いのかというとライオンの執着心です。シチュエーションは全然違うし、相手はそもそもライオンですが(笑)、どこかスティーヴン・スピルバーグ監督の『激突!』のテンションに似ています。だから、緊張感をたっぷり味わっていただけるのが、本作の醍醐味です。
もう一つの魅力は、やっぱり「それは映画じゃなかったら即死やで」という闘いが映画だからこそ実現していること。『MEG ザ・モンスター』でジェイソン・ステイサムが巨大サメと闘っていたのと同じ匂いを本作にも感じます(笑)。そう、イドリス・エルバなら何にでも勝てそうな気がしますよね!ぜひイドリス・エルバが演じるネイトと娘達を応援しながら観てください。
デートで気まずくなるようなシーンはないものの、痛々しいシーンは多数なので、得手不得手が多少わかった状況で相手を誘うか検討したほうが良いでしょう。一方、「ありえへん!」とツッコミたくなる展開を楽しめるカップルにはオススメです。突然「ガオー!」と襲ってくるシーンは吊り橋効果も期待できるかもしれませんね。
まだ幼くて怖がりなキッズには刺激が強いです。もう少し大きくなって、映画と現実の区別がちゃんとできるようになってから観ることをオススメします。小学校高学年以上なら、動物好きの方はもちろん、好奇心旺盛な方も観てみてください。主人公の娘達も活躍するので、彼女達に感情移入しながら観て、臨場感を味わえると思います。
『ビースト』
2022年9月9日より全国公開
東宝東和
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TEXT by Myson