17歳のアンジェラともうすぐ17歳になるジェシーは高校を中退し、ダイナーでウェイトレスをして生活費を稼ぎ、ジェシーの兄とそのルームメイトと共に4人で暮らしています。アンジェラはジェシーの誕生日に旅行を計画。ジェシーを驚かせたかったアンジェラは、黙って家賃で旅行代を支払い、アルバイトの日数を増やして改めて家賃を稼ぐはずでしたが、兄達のトラブルに巻き込まれ、とんでもない事態に巻き込まれていきます。
2人はドラッグを日常的に使用していたり、軽犯罪を犯したり、あまりに破天荒過ぎて驚きますが、映画公式サイトによると、本作はオーガスティン・フリッゼル監督のほぼ自伝的映画だそうです。だから、フリッゼル監督はかなりやんちゃだったんだなと思うのは当然のことながら、ティーンエイジャーなりに必死に生きている姿が映し出されている点では共感できるところもあります。大人に頼れない、頼りたくない2人が自分達の力で何とか問題を解決しようとする姿は無謀でありつつも、どこか成長しているように見えて、応援したい気持ちになります。そして、クライマックスの“大作戦”は、良い意味でのくだらなさで笑えます。実際に起こした出来事も含まれるという点で、全面的に肯定はできませんが、若かりし頃にしかできない経験ってあるなと実感します。さらに、ティーンエイジャー特有の友達との絆の強さも印象的で、私も友人達の顔が目に浮かびました。とにかく、あの時があるから今があるという経験をした方は特に“わかる”映画だと思います。
お下劣なシーンが複数出てくるので、デートのムードには合わないように思います。やはり、アンジェラとジェシーのような親友同士で観て欲しい作品です。でも、飾らない自分でいたいと思うなら、デートで観るのもありでしょう。自分のままでいられる友達との思い出話をするきっかけにできると思います。
ティーンの皆さんは特に、アンジェラとジェシーの関係や、彼女達の思考を身近に感じながら観られると思います。ダメだとわかっているけど、やってみたくなる、やっちゃうお年頃の皆さんは、アンジェラとジェシーの破天荒ぶりを観てぶっ飛ぶ日常を疑似体験してみるのも良いでしょう。犯罪行為を真似してはいけませんが、冒険する気持ちは2人の姿からもらえるといいなと思います。
『Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック』
2022年12月16日より全国順次公開
REGENTS
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TEXT by Myson