今回の物語の舞台は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界で、ピーター達が楽しみにしていた夏休みの旅行先、ヴェネツィア、プラハ、ロンドンで問題が勃発します。スパイダーマンの本拠地と言えば、ニューヨークですが、今回はサブタイトルに“ファー・フロム・ホーム”とある通り、ニューヨークから離れた土地でスパイダーマンが活躍する姿を観ることができます。アベンジャーズが“指パッチン”から世界を救い、この世から一度消された半分の人々が戻った世界で、夏休みは普通の高校生として過ごしたいと願うピーターが、スーパーヒーローとしての覚悟を改めて試されるストーリーで、彼が頼りにしていたトニー・スタークがいない状況のなか、ピーター自身がどんな選択をするのかが見どころになっています。若干16歳と考えると本当に酷な状況で責任が重すぎますが、大きな失敗を犯しながら、成長していく姿はやはり観ていて勇気をもらえます。トニーの運転手だったハッピーや、メイおばさん、さらにクラスメイトのMJ、ネッド、ベティなど脇のキャラクターも深掘りされていて、とても良い味を出しています。高校生独特のノリが何度も笑いを誘い、癒されるシーンも豊富です。2人のおもしろキャラの先生も良いアクセントになってます。そして、何より今回注目のキャラクターは、ジェイク・ギレンホールが演じるミステリオ。でも彼については最大のお楽しみということで、ここでは何も書かないでおきます。ぜひネタバレされないうちに早く観てください!
アクションの迫力やスピード感がパワーアップしているのはもちろん、世界を襲う脅威の種類もとてもユニークで、「そう来たか!」と思うと同時に、時代をすごく反映している設定が素晴らしいです。ラストも衝撃の展開が待ち受けているので、本作のストーリーに決着がついたと思っても、油断は禁物です。
シリーズを通して観ているほうがもちろん楽しめるとは思いますが、何となくスパイダーマンやアベンジャーズの設定を知っていれば、本作から観ても楽しめると思います。もしくは、本作を観る前に2人でシリーズ前作のおさらいをすると良いでしょう。今回はさらにラブストーリーも盛り上がってくるので、ロマンチックなムードもあやかれると思います。
高校生が主人公なので、ティーンの皆さんはもちろん等身大で楽しめると思いますが、キッズの皆さんが観てもワクワクする物語です。2時間を越える上映時間はキッズの皆さんにとっては少々ハードルかも知れませんが、小学校高学年以上なら全然問題ないと思います。それくらい、釘付けになるアクションシーン、時折入る笑えるシーン、キュンとするラブストーリーと、さまざまな要素がバランス良く、メリハリも効いて入っているので、ぜひ観てください!
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
2019年6月28日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
TEXT by Myson