REVIEW

DOGMAN ドッグマン【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『DOGMAN ドッグマン』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

REVIEW

本作はリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て脚本、監督を担当し、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズを主演に迎えて制作した作品です。公式資料によると、着想を得たのは「5歳の我が子を監禁した家族」についての記事。ベッソン監督は、この事件の被害者である子どもが、精神的にどのような影響を受け、どのように生き延び、苦痛をどう受けとめていくのかというような疑問を探求したいと思ったとあります。
主人公は、トラックの荷台に十数匹の犬を乗せて走っていた女装の男(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)。ただならぬ様子でトラックを運転中だった、その人物は警察の検問で止められ拘置所に連れて行かれます。警察に雇われた精神科医のエヴリン・デッカー(ジョージョー・T・ギッブス)が名前を聞くと、彼はダグラスと名乗り、徐々に生い立ちやこれまでどう生き抜いてきたかを少しずつ話し始めます。
本作はダークでシリアスな世界観でありながら、ダグラスと犬達のやり取りにはホッコリします。ダグラスはドッグマンの異名の通り、犬との絆が深く、まるで会話をするように意思の疎通ができています。そして、ダグラスの指示を正確に守る犬達が本当に賢くて驚くのと同時に、それを演じている役者としてのワンちゃん自身の賢さにも感動します。合わせて陰の立役者となるドッグトレーナーさんも本当にスゴいと思います。犬版『ホーム・アローン』のようなシーンもあるので、楽しみにしてください。
そして、何といってもケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技が見事です。ダグラスが元々持っている優しい一面と、壮絶な家庭環境を生き延びることで培われたのであろう野生的な一面など、複数の“顔”を持ったダグラスの複雑な内面をリアルに体現しています。前述の公式資料で、ベッソン監督は「ケイレブ・ランドリー・ジョーンズでなければこの作品は完成しなかった」と述べており、本作を観た方もきっと同意見を持つと思います。
リュック・ベッソン監督がこれまで何度も創作してきた、不屈の主人公の悲しい物語のシリーズにまた1つ傑作が加わりました。良い意味でとても映画的な作品です。この世界観にどっぷり浸ってお楽しみください。

デート向き映画判定

映画『DOGMAN ドッグマン』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

バイオレンスシーンがあり、悲壮感が漂う作品なので、ロマンチックなムードに浸りたい日のデートには向かないと思います。一方で、カップルで観ても気まずくなるような展開はほぼなく、作品としては見応えがあり、印象に残るシーンも多いので、映画トークを楽しみたい日のデートには向いています。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『DOGMAN ドッグマン』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

皆さんと同じ年頃の少年が犬達と強い絆を作り、必死の思いで生き抜く姿が描かれている上に、ワンちゃん達が大活躍するストーリーという点では、一見キッズの皆さんにもオススメの映画に思えるかもしれませんが、クライムサスペンスということで、刺激が強いところもあります。歪んだ家族関係がベースにある点でも、親子で楽しく観られるタイプの映画ではないので、中学生くらいになってから、1人でじっくり観るか、友達と観るほうが良いでしょう。

映画『DOGMAN ドッグマン』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

『DOGMAN ドッグマン』
2024年3月8日より全国公開
PG-12
クロックワークス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© Photo: Shanna Besson – 2023 –LBP – EuropaCorp – TF1 Films Production – All Rights Reserved.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キング レジーナ・キング【ギャラリー/出演作一覧】

1971年1月15日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。

映画『喝采』ジェシカ・ラング 喝采【レビュー】

ブロードウェイで活躍した伝説の俳優マリアン・セルデスをモデルとした本作の主人公は、ジェシカ・ラングが演じています…

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年12月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年12月】のアクセスランキングを発表!

映画『コート・スティーリング』オースティン・バトラー コート・スティーリング【レビュー】

ダーレン・アロノフスキー監督とオースティン・バトラーがタッグを組んだ本作は…

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  2. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  3. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  4. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン
  5. ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
PAGE TOP