REVIEW
ルーマニア・アカデミー賞で6冠に輝いた本作は、静かに始まり激しく終わる、独特なテンションが印象的です。主人公は、第2の人生を始めようとしている警察官のイリエ(ユリアン・ポステルニク)。彼は果樹園を営み、静かに暮らしたいと考えながら、まだ警察官として働いています。一見のんびりとした村では、警察の出番も少ないなか、正義感に燃える新人警察官、ヴァリ(アンゲル・ダミアン)がイリエの部下になります。そして、ちょうどその頃、村で一人の男性が死亡。その真相を巡り、イリエとヴァリは思わぬ運命に巻き込まれていきます。
心は既に果樹園にあり、警察官としての情熱を失ったイリエが第2の人生を送れるのかどうか気にしながら観ていたら、途中からそんな話はどうでもよくなる強烈な展開が出てきます。そして、事件の真相が見えてくると、村の異常さが浮き彫りにされてきて、どんどん恐ろしくなってきます。
一方で、イリエの背景も徐々に明かされていき、始めのうちはパッとしない人物に見えたイリエに対する印象は変わってきます。そして迎えるクライマックスでは「えええええーーーー!」となりますよ。あまりの急展開と激しい描写で終わる潔さが魅力的な作品です。
デート向き映画判定
ロマンチックなムードに浸れるような作品ではないものの、良い意味でクセの強い作品なので、鑑賞後の会話は楽しめそうです。ただ、痛々しいシーンが出てくるので、普段あまり映画を観ない相手を誘うには不向きでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定
PG-12なので、大人と一緒なら小学生も観られるとはいえ、刺激が強いシーンもあるので、せめて中学生くらいになってから自分で興味を抱いた時に観るほうが良いでしょう。言葉では言い表せないような激しさとエネルギーを感じる作品です。何だかわからない勢いに呑まれるおもしろさを味わってください。
『おんどりの鳴く前に』
2025年1月24日より全国順次公開
PG-12
カルチュアルライフ
公式サイト
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© 2022 Papillon Film / Tangaj Production / Screening Emotions / Avanpost Production
TEXT by Myson
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情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。