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愛を耕すひと【レビュー】

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映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン

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イダ・ジェッセンによる史実に基づく歴史小説“The Captain and Ann Barbara(英題)”を原作に、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』でタッグを組んだニコライ・アーセル監督とマッツ・ミケルセンが映画化。物語の舞台は、18世紀のデンマーク。退役軍人のルドヴィ・ケーレン大尉(マッツ・ミケルセン)は、既に開拓は無理との判断が下された王の領土ヒースを自分なら開拓できると名乗り出て、成功した場合の報酬に貴族の称号を要求し、自費で1人で荒野の開拓にあたります。でも、ヒースは自身の所有地だと主張する、地元の有力者フレデリック・デ・シンケル(シモン・ベンネビヤーグ)が、手段を選ばずケーレンの開拓を潰そうとします。

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン

物語の大半はケーレンの開拓がうまくいくのかどうかを軸に描かれており、それを邪魔するシンケルの卑劣さが印象に残る展開となっています。その間の苦難がケーレンと周囲の人々との人間関係にも大きく影響し、後の展開に繋がっていきます。『愛を耕すひと』というタイトルがついている意味は後半になると徐々に見えてきます。

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン/シモン・ベンネビヤーグ

ケーレンは開拓にすべてを懸けるので、開拓がうまくいき貴族の称号を得られるかどうかがゴールと考えて観始めるものの、彼は人間関係に関わる難しい選択に何度も迫られます。始めは独りぼっちだったケーレンが、仲間を得ていく過程と、仲間を取るか目的を果たすかで葛藤する姿に、人生で大切にすべきものが映し出されていると感じます。

デート向き映画判定

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン

少しセクシャルなシーンや、観ていて辛くなるバイオレンスシーンもあり、映画を観慣れていない方や、好みや許容範囲がわからない方を誘うには微妙に迷うところです。自分ならどうするか考えさせられるシーンが複数あるので、1人でじっくり観るか、映画の好みが近い友達を誘うほうが気兼ねなく集中して観られそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン/アマンダ・コリン/メリナ・ハグバーグ

ケーレンは目的を貫徹するための判断において、子どもでも特別扱いしません。一見冷たく感じるかもしれませんが、逆にいえば皆公平に扱います。でも、そんな彼の心にも変化が出てきます。皆さんと同世代のキャラクターがストーリーの要となるので、興味深く観られる部分もあるでしょう。

映画『愛を耕すひと』マッツ・ミケルセン/アマンダ・コリン/メリナ・ハグバーグ

『愛を耕すひと』
2025年2月14日より全国公開
スターキャット、ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

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TEXT by Myson

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