REVIEW
実在する双子のピアニスト、ダイアン・プレネとオードリー・プレネをモデルにして作られた本作は、アカデミー賞作品賞を含む3部門を受賞した『コーダ あいのうた』のプロデューサー、フィリップ・ルスレが手掛けています。

主人公の双子の名前は、クレール・ヴァロア(カミーユ・ラザ)、ジャンヌ・ヴァロア(メラニー・ロベール)。2人は父親から大きな期待をかけられ、幼い頃からピアニストとしてトップに立つよう育てられました。父セルジュは、娘達が2位を獲っても満足せず1位にこだわっています。そして、2人はピアノに人生を捧げ続け、やがて名門カールスルーエ音楽院に入学し、ピアノのソリストを目指します。でも、ソリストになれるのは1人。そんななか、まずはクレールが才能を発揮します。

何よりピアノが優先という2人の生活を観ていて、音楽の道の険しさを痛感すると同時に、2人はどこまで自分の意思でピアノを続けているのか気になってきます。そんななか、2人に試練が訪れて初めて、彼女達の本心が見えてきます。そして、その試練は、プロのピアニストを目指す者にとっては耐え難い辛さを与えつつ、それがきっかけで2人は自分達にしかできない音楽に出会います。

ピアノへの情熱、双子であること、その両方が最初は軋轢を生みつつ、最終的には奇跡を生むというストーリーだからこそ、人は考え方次第で状況を変えられるし、ピンチをチャンスに変えるとはまさにこのことだと希望をもらえます。さらに、実在のピアニストをモデルとしているという点でなお心に響きます。物語も演奏も存分に見応えがある本作は、音楽に関心がある方はもちろん、高い壁にぶつかってくじけそうになっている方にも特に観て欲しいです。
デート向き映画判定

恋愛は二の次という状況が描かれているので、同じような状況のカップルが一緒に観るとどんなムードになるのか未知数です(苦笑)。ただ、自分達を客観視する機会になるでしょう。また、何が正解かが主張されているわけではないので、観る方それぞれに受け取って、自分の恋愛観を振り返るきっかけにしてはどうでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定

キッズやティーンの皆さんは親の勧めで習い事をしている方も多いと思います。きっかけを作ってくれるのは親である場合が多いだけに、自分がだんだん成長してくると、親の期待に応えるためにやっているのか、自分の意志でやっているのかわからなくなることもあるかもしれません。そんな時に本作を観ると、参考になるポイントがあると思います。

『デュオ 1/2のピアニスト』
2025年2月28日より全国公開
シンカ、フラッグ
公式サイト
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TEXT by Myson
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- イイ俳優セレクション/カミーユ・ラザ(後日UP)