原作は、原恵一監督作のアニメーション『COLORFUL(カラフル)』と同じ、森絵都の「カラフル」ですが、実写とアニメーションの違いはもちろん、日本とタイのお国柄の違いもあり、全く違った印象を受けます。パークプム・ウォンプム監督が、ホラーやスリラーが得意ということで、怖いシーンに迫力があり、ダーク・ファンタジー感が印象的です。冒頭のダークなシーンで「何?何?」と引き込まれたと思ったら、前半は爽やかで明るい青春映画になっていて、後半はドッと重い人間ドラマへと展開していきます。136分と上映時間が長めですが、こういったメリハリの利いた構成なので、長さを感じさせません。後半は胸が痛くなる展開が続きますが、ラストはいろいろな意味で爽快感を味わえるので憶せず観てください。
初々しい初恋が描かれていて、微笑ましいシーンも多く、カップルで共感しながら観られるでしょう。高校生の恋愛なので、特に学生カップルは等身大でドキドキを体感できると思います。途中、辛い展開もありますが、2人がそれをどう乗り越えていくのかを観ると、恋愛への希望が湧いてくるはずです。
これは、自殺した少年の身体を借りた“ボク”が、彼のふりをしながら彼の元の生活に“ホームステイ”し、彼の自殺の原因を探る物語です。家庭、学校、その他、どこに自殺の原因があるのかわからずに、徐々に謎が解けていきますが、皆さんが普段悩んでいることにも少しリンクするようなことが出てくるかも知れません。でも、自分が「辛いな」「嫌われてるな」などと普段思ってしまっていることは、他の人からすれば全然別の意味合いを持っていたり、新たな視点を得ることで、前向きになれるストーリーなので、皆さんの世代にぜひ観て欲しいです。
『ホームステイ ボクと僕の100日間』
2019年10月5日より全国順次公開
ツイン
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TEXT by Myson