カリフォルニア州とネバダ州の州境の上に立つホテルが舞台で、道の上だけでなく、ホテルの中にも境界線が引かれていて、ホテル自体のユニークさにまず目がいきます。でも、意外にその後はその設定が活かされていないのですが、このホテルが昔とても栄えていて、そういう部分も存分に楽しんでもらおうとしていたホテルだったというのは想像できます。そんな人気ホテルも今ではすっかり廃れていて、どうやら1人のスタッフしか常駐していない様子。「お客が少なくても、1人で回すのは絶対に無理じゃない?」と思える規模のホテルに見えるんですが、そういうところを気にしている場合ではなくなってくるのでご安心を(笑)。というのも本作で大事なのは、宿泊客もホテルマンも皆怪しいというところ。皆それぞれにワケありなのですが、その真相が徐々に明かされていきます。「なるほど、そうだったのか!」という驚きと同時に、皆予想もしないきっかけでどんどんややこしい状況に巻き込まれていくのがおもしろい!そして、急に殺したり、殺されたりするので、展開が読めません。本作はキャストがすごく豪華で、ジェフ・ブリッジス、シンシア・エリヴォ、ダコタ・ジョンソン、ジョン・ハム、グザヴィエ・ドランなどが出演していて、中でもクリス・ヘムズワースを目当てに観るという人も多いですよね。前半なかなか出てこないので、ちょっと心配になりますが、クライマックスでしっかり活躍します。あと、『バイス』『ビリーブ 未来への大逆転』などにも出演し、これからの活躍が期待されるケイリー・スピーニーも掴みどころのないキャラクターとして存在感を発揮しています。ホテルマンを演じているルイス・プルマンもすごく美味しい役なので、ぜひご注目ください。142分という上映時間ですが、ハッとさせられる展開がペース良く入っているので観やすいと思いますよ。
気まずくなるようなラブシーンはなく、R-15+はついているものの、目をふさぎたくなるような露骨な暴力シーンはあまりないので、デートで観ても大丈夫だと思います。ロマンチックな雰囲気になることはありませんが、読めない展開にハラハラドキドキするので、吊り橋効果もちょっとはあるかも知れません。後半になると、マッチョ好き女子の場合はクリス・ヘムズワースの胸筋と腹筋に釘付けになると思うので、彼に遠慮せずに堪能したい人は1人で観るか、女子同士で観るのをオススメします。
R-15+となっているだけあり、それなりに刺激はあります。ワケありな人達ばかりが登場して、どんどんおかしな方向にこじれていくストーリーではありますが、複雑ではないので、15歳以上で興味があれば観てみてください。ホテルを舞台にした映画は、華やかな作品も多いですが、これはクライム・サスペンスなので、ハラハラドキドキを楽しんでください。
2019年4月19日ブルーレイ&DVD発売、レンタル開始
3月6日よりデジタル配信開始
R-15+
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson