あらゆるシーンで「おや?」と思いながら推理的に観るか、あまり深掘りし過ぎず自然に観て最後に驚くか、どちらの観方もできる作品です。私は前者だったので、ラストは「やっぱりか!」という感じで驚きはありませんでしたが、逆に自分にも通じるところが感じられて親近感が湧きました。それがどういう点なのかは映画を観て確かめて頂ければと思いますが、主人公とそのまま同じでなくても、こういう一面って誰にでもあるはずで、こうやって人間は何とか生きているんだなと愛おしくも感じます。ある種の闇を心に抱えている主人公を夏帆が見事に演じていて、穏やかな見た目だからこそのギャップで、この役にハマっています。そしてやはりシム・ウンギョンが上手い!この2人の絶妙なバランスもぜひ注目して頂きたい見どころです。
物語の軸は恋愛ではないので、客観視できるといえばできるかも知れませんが、男性が観ると少々複雑な気分になる展開があります。また、結末をどう感じるかも意見が分かれそうで、相手との意見の相違や感想が違うと気まずくなるという人は、1人でじっくり観るか、友達と観るほうが良さそうです。
キッズやティーンの皆さんは、主人公の感覚を身近に感じられるかも知れません。皆が皆ではありませんが、成長過程で似たような経験を持つ人もいると思います。そんな人にとっては、「自分だけじゃないんだ」と安心感をもらえるストーリーです。
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』
2019年10月11日より全国公開
ビターズ・エンド
公式サイト
©2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
TEXT by Myson