シリーズ2作目となる本作も、ド派手なSFアクション映画に仕上がっていて、作り手の弾けっぷりも健在です。音楽、衣装、VFX、特殊メイク、アニマトロニクスは、ハリウッドやイギリスで活躍するスタッフが手掛けていて、製作費はインド史上最高の7900万ドルをかけて作られているので、そのスケールの大きさはおわかり頂けるのではないでしょうか。また、インドのスーパースター、ラジニカーントが主演ということで、彼が演じるキャラクターがとてもおいしいのは言うまでもありませんが、普通なら鼻につきそうなキザな描写が一種のユーモアになっていて笑いを誘います。そして、インド映画はヒロインの美しさも見どころですが、本作では美女ロボット役を、国外でもモデルとして活躍し、DCコミックスシリーズの海外ドラマ『SUPER GIRL/スーパーガール』に出演しているエイミー・ジャクソンが演じています。内容は、“アベンジャーズ”のオマージュとも思えるシーンなど最近話題になった事柄を彷彿とさせる要素が多くあると同時に、社会風刺的な描写も印象的です。スマホがキーアイテムとなっていますが、発想がとてもユニークでありながら、リアリティもあるので、身近なストーリーとして観ることができます。ボリウッド映画特有の歌と踊りのシーンはなく、エンドロールにだけ出てくるので、インド映画が好きな人はもちろん、インド映画にあまり興味がない人も、他の作品と区別することなく、いちSFアクション大作として観てください。
ロマンスもちらっとありながら、特殊な設定なので、変に自分達を投影して観ることはなく、気楽に観られるエンタテインメント作品になっています。見た目に派手な展開が何度も出てくるので、誰でも楽しめる作品です。インド映画的な魅力はありつつ、それだけにとどまらない作品になっているので、インド映画が好きかどうかはあまり気にせずに誘ってみて大丈夫です。
ロボットが大活躍するシーンは、キッズもティーンも飽きない演出になっていますが、上映時間が147分というところだけ、ネックになるのかなと思います。中学生以上ならなんとか集中力が持ちそうですが、途中から社会問題をテーマにした内容に展開するので、キッズには少々難しいと思う部分もあります。
『ロボット2.0』
2019年10月25日より全国公開
アンプラグド、KADOKAWA
公式サイト
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TEXT by Myson