恋愛が上手くいかない理由って、いろいろあると思いますが、本作では恋愛術では乗り切れない、恋愛の難しさがとても生々しく描かれています。岸井ゆきのが演じるテルコが、恋に落ちたマモちゃんに心も身体も振り回される姿はものすごく痛々しくて、同じような体験をした人なら観ていて本当に辛くなるでしょう。そして恋愛って、人によっては本当に腹黒いなということも描かれていて、恋に恋する夢子ちゃんの理想を粉々に砕く破壊力があります。ただ、ここでその腹黒さを現実として受け止めれば、今後は恋愛に盲目になって、自分を見失うことは少なくなりそう。「それは本当に恋ですか?それとも意地ですか?」ということが自覚できるようになるきっかけも与えてくれるストーリーなので、反面教師として観て欲しい1作です。
カップルで観るとお互いに複雑な心境になりそうな内容なので、じっくり1人で観るのが1番オススメ。もしくは仲の良い友達と一緒に観て、恋愛についてあーだこーだ語るのが楽しいと思います。今付き合っている相手との関係が、本作のテルコとマモちゃんのような関係と近い場合は、ちょっと動揺すると思いますが、一旦冷静になって客観的に自分の気持ちを見つめ直してください。
恋愛ってこういうパターンもあるということを、早めに知っておくのも良いかも知れませんが、キッズやティーンの皆さんにはまだ恋愛に夢を持っていて欲しいので、せめて成人してから観るということで良いのではないでしょうか(苦笑)。偉そうなことを言える立場ではありませんが、頭でわかっても逆らえないのが恋愛。ということで、多少恋愛経験を積んで傷ついてから学ぶほうが身に付きそうです。
『愛がなんだ』
2019年4月19日より全国公開
エレファントハウス
公式サイト
© 2019映画「愛がなんだ」製作委員会
TEXT by Myson