REVIEW
人の「存在」の意味を考えさせられるともに、自分にとって大切な人の存在の大きさを実感する物語です。本作は、中條ていの同名小説を原作とし、市井昌秀、故・佐々部清とともに草野翔吾監督が脚本を作成し映画化した作品です。
本作の主人公は、ウェディングプランナーの梓(黒木華)です。梓は澄人(中村蒼)という恋人がいるものの、結婚には消極的です。親友の叶海(藤間爽子)とは、日々の些細な出来事も共有する仲です。でもある日、叶海に予期せぬ出来事が起こります。
本作の公式サイトにはある程度あらすじが書かれているので、背景を知りたい方は読んでから観るのもありでしょう。私は毎度のことながら敢えてほぼ内容を知らずに観たので、人生にはいつ何が起こるかわからないという感覚をよりリアルに感じながら観ました。本作は、まず自分にとって大きな存在である人物と突然離れることになる辛さを描いています。ただ、物語はそこから本筋に入るともいえて、どんな状況になっても、絆は消えないという救いを与えてくれます。
俳優陣の演技力が光っていて、どのキャラクターも本当に魅力的です。個人的には特に、風吹ジュン、草笛光子、重鎮お二人の演技が染みました。こんな風に年を重ねたいなと思うくらい、キャラクターとしても俳優としても素敵です。
「アイミタガイ」=「相身互い」という言葉を知り、さらにこの物語でその意味を知り、いつも何かに守られているような気がして、安らぎを感じられる作品となっています。現代社会は殺伐としてきたように感じながら、顔見知りかどうかに関わらず、人と人とは繋がっているんだと思えるストーリーに希望ももらえるはずです。人の繋がりを感じたい方はぜひご覧ください。
デート向き映画判定
梓と澄人のように仲は良いのに前に進めないカップルには、参考になる部分があるでしょう。相手の言葉を言葉通りの意味で解釈するばかりでなく、その裏にある隠れた本心がないか考えるきっかけになるかもしれません。一緒に観るだけでも、何か刺激を得られる可能性もあるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定
主人公の中学生の頃のお話も出てきて、皆さんにとっては未来を観る感覚でも楽しめそうです。多感な時期にいろいろな経験を共有した友達は大人になってからもかけがえのない存在であり続けるでしょう。大好きな友達と一緒に観てください。
『アイミタガイ』
2024年11月1日より全国公開
ショウゲート
公式サイト
© 2024「アイミタガイ」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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