アクション映画の一部にカーチェイスが入っているという作品は多いですが、本作はほぼ全編カーチェイスというところがまず見どころです。元軍人のウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)は妻の手術代の工面に困り、血の繋がらない兄ダニー(ジェイク・ギレンホール)を頼ります。ダニーとウィルは犯罪者の父を持ち、ダニーはいまだに犯罪に手を染めていて、金に困り自分を訪ねてきたウィルを大きな計画に誘います。ウィルはやむを得ず手伝うことにしますが、現場で思わぬ事態が起こり、2人は町中を逃げ回ることになります。
派手なカーアクションはもちろん、頭脳戦も繰り広げられ、さらに救急車の中ではある人物が生死を彷徨っているので、終始緊張感が張り詰めます。また、ダニーとウィルの複雑な関係や、ダニーとウィルそれぞれの性格なども物語の展開を左右し、状況が二転三転するおもしろさがあります。空撮もふんだんに使われ、空からの映像と地上の映像の組み合わせも印象的。町全体を使ったスケールの大きな作品で、マイケル・ベイ節も効いていますよ。
ロマンチックなムードになる展開はないので、まだ好きかはわからないけどちょっと気になるくらいの相手を誘いやすいのではないでしょうか。ストーリーもシンプルなので、年に数回しか映画を観ないという方でも気楽に観られると思います。観終わった後は映画について語るもよし、次の予定にさっと切り替えるも良しです。
137分と長めの上映時間ということ、PG-12ということもあり、キッズ向けとは言えません。中高生になって興味が湧いたら観てみてください。良心もあり、望まないけれど犯罪に手を染めてしまうキャラクターが葛藤をする姿を観て、共感するところもあると思います。彼と同じような過ちをしないよう、困った時に正しい方法で助けてくれる相手を見つけておく必要性も感じるでしょう。
『アンビュランス』
2022年3月25日より全国公開
PG-12
東宝東和
公式サイト
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TEXT by Myson