REVIEW
原作を読んでいない方は、キービジュアルの2人の服装を見て、どこか違和感を持ったかもしれません。なぜ現代的な制服の女子高生と兵士が一緒にいるんだろうと思いましたよね?実は本作のヒロイン百合(福原遥)は、1945年の日本にタイムスリップしてしまいます。意図せずタイムスリップしてしまった百合は、今自分がどこにいるのかわからないまま村を彷徨い、信じられない光景を目にします。そこで、特攻隊の彰(水上恒司)に助けられ、村の食堂で住み込みで働くことになります。
本作は、10代の等身大の姿を描いた数々の小説を世に輩出している汐見夏衛によるベストセラー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」を映画化した作品です。父を早くに亡くし母子家庭で育った少女が、最初は不遇な状況に不満を抱きながらも、タイムスリップした先で命を賭けて戦場へ飛び立つ特攻隊員や彼等を支える人々と触れあうなかで、自分の幸せを自覚し成長していく姿を清々しく描いています。また、特攻隊という設定がある点で、現代に生きる若者と戦時中の若者の死生観の違いが対比され、自ずと命の尊さを考えさせられるストーリーとなっています。ラブストーリーとして観るのも良いですし、10代の成長物語、母子の物語として観るのも良いと思います。
デート向き映画判定
中高生カップルは特に等身大で観られるし、ロマンチックかつ爽やかな恋愛が描かれているので、デートでも観やすいと思います。子どもがいる夫婦で観るなら、親目線でいろいろ考えさせられるポイントもあるので、鑑賞後に子どもについて夫婦でいろいろと話す機会にできそうです。そして、どんなカップルで観ても、平和な時代に大切な人と一緒に映画を観られる状況に改めて幸せを感じられるのではないでしょうか。
キッズ&ティーン向き映画判定
キッズやティーンの皆さんは、近い世代の主人公達の姿を観て、自分がもし第二次世界大戦中にタイムスリップしてしまったらどうするか、リアルに想像しながら観られるのではないでしょうか。自分の命を国に捧げる決意をした特攻隊員達の気持ちを考えてみたり、食べ物が充分に食べられない戦時中の人々の暮らしを観て、現代に生きる私達がいかに恵まれているかを実感できると思います。百合と同じように進路に悩んでいる方も、気持ちをリフレッシュしたり、違う角度から考えるきっかけに観てはどうでしょうか。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
2023年12月8日より全国公開
松竹
公式サイト
© 2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2023年12月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。