本作は、日々の暮らしに寄り添ったさまざまな雑貨や洋服を販売するECサイト“北欧、暮らしの道具店。”による短編ドラマを長編映画化した作品です。シングルマザーの春子(西田尚美)と、息子のリク(寄川歌太)、さらに友人カップルという変わった4人で共同生活をしている青葉家。ある日、春子の旧友の娘、優子(栗林藍希)が美術予備校の夏期講習に通うため、青葉家へ居候しにやって来ます。
全体を通して大きな事件が起きるお話ではありませんが、日常で誰もが感じたことのある、人に対する劣等感や自分に自信が持てないといった点が上手く描かれているので、どんな人でも共感できるポイントが見つかると思います。ドラマ版を観ていなくても映画として十分楽しめますが、ドラマは現在(2021年6月9日)web配信中なので、事前に観て予習するのも、映画観賞後に観るのも良さそうです。また、“北欧、暮らしの道具店。”が手掛ける青葉家のインテリアや料理は、どれもとても魅力的なものばかりなので、参考にするのもオススメです。
恋愛要素はほとんどありませんが、気まずくなるシーンなどがないので、どんなカップルでも観られますし、大人と思春期真っ只中の子ども達の群像劇として楽しめると思います。子ども達が悩む姿は、大人目線だとちょっと懐かしい気持ちになるので、これを機にお互いの学生時代の話をして盛り上がるのもありです。お子さんがいる夫婦で観る場合は、本作の親子関係を参考に子育ての教訓を得ることもできそうです。
皆さんの場合は、優子やリクをはじめとした子ども達目線で観られると思います。優子はたくさんやりたいことがありますが、1つに絞れずどれも中途半端なことに悩んでいます。優子自身がどうやってその悩みと向き合っていくのかは本編をご覧いただくとして、同じように夢や将来に対する悩みを抱えている人なら、きっと背中を押してもらえるはずです。
『青葉家のテーブル』
2021年6月18日より全国順次公開
エレファントハウス
公式サイト
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TEXT by Shamy
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