かなりコミカルに作られている分、ある意味好みは分かれそうですが、軽いテンションとは裏腹に、結構いろいろな伏線が敷かれています。クライマックスで一気に「そこが伏線だったのか!」という驚きの連続があり、綺麗に伏線を回収してくれるのでスッキリします。元素記号へのこだわりも、そこに繋がるのか〜とよく練られた仕掛けが楽しいです。本当にちょい役ですごく豪華なキャストが登場している点でもビックリ。広瀬すずが演じる七瀬が父への反抗心で歌う“デス、デス、デス、デス!”というフレーズも耳に残りますが、その父と娘が最後どうなるのかにもドラマがあり、ホロッときます。
カップルで観て気まずいシーンはないし、気楽に観られてホロッとするストーリーなので、デートで観るのもありでしょう。「この人気者がこんなチョイ役で?」と思えるシーンが満載なので、映画を普段あまり観ない人でも取っ付き易いと思います。初デートで観るのもオーケーです。笑いのツボが合うかどうかというところは観てみないとわからないので、そこにうるさい人の場合だけ、誘うかどうか熟考してください(笑)。
仕事、研究に打ち込み過ぎる父親と、その娘の物語で、最初2人の心はすれ違ってしまっています。本当はお互いに言いたいことや、言うべきなのに言えていないことがあり、それがある事態によって、2人の関係が変わっていきます。それがどういうことなのかは映画を観て頂くとして、親子のストーリーとして誰もが共感できる内容になっています。友達と観ても楽しいですが、親子で観ると、普段話せないこと、恥ずかしくて言えないことを言えるきっかけになるかも知れません。
『一度死んでみた』
2020年3月20日より全国公開
松竹
公式サイト
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TEXT by Myson