秘密結社として知られるイルミナティにはいろいろな噂があり、これまでさまざまな映画でも強烈なインパクトを残していて、謎のカルト集団というイメージを持っている人のほうが多いのではないでしょうか。本作では複数の研究者がイルミナティとフリーメイソンの関係、イルミナティの組織構造と歴史について語っており、多くの人が持つイルミナティのイメージを覆す内容となっています。本作を観ていると、イルミナティでは儀式がすごく重んじられ、メンバーが厳格に管理されていることがわかりますが、当時思想の違いがいかに人々の生活を左右していたかということ、宗教というものがすごくパワフルに機能していたことが伝わってきます。つまり、そんな儀式はばかばかしいと言い出したらそれで終わりなわけですが、ルールを忠実に守り、身を潜めて教えを広め、目指す社会の実現のために活動していたことを思うと、人が持つ信じる力の影響力の強さを実感します。
また、学問、哲学、思想、宗教は密接に絡んでいて、世界を作る上で大きな力を持つということが理解できます。そう考えると時代背景は異なるとしても、私達の時代も情報が蔓延しているという点で、知らず知らずのうちに何かの力に支配されているといえるかもしれません。イルミナティがどういう志で創られたのかというところから知ると、共感できるところもあり、本作で真相を知ってもなお、興味深い秘密結社だと感じます。
映画の宣伝的にすごく怖さを煽っている感じなので(笑)、こういう話が好きな人は大いに興味を引かれると思いますが、一方で怖そうな映画だと敬遠する人もいるかもしれませんね。でも、内容的には当時のイルミナティの儀式のイメージを再現したシーンや、いろいろな研究者達が自分の知見を話すといった構成になっているので、怖い映画ではありません。ロマンチックなムードになる要素はありませんが、2人ともイルミナティに興味があれば、デートで観るのもアリではないでしょうか。
“秘密結社”という響きからして何だか興味が湧きますよね(笑)。キッズやティーンの皆さんがイルミナティやフリーメイソンをどこまで知ってるかに寄りますが、この2つの組織にまつわる都市伝説は多くあるので、それをいくつか調べた上で、それは本当なのかと疑いながら観るほうが興味が増すと思います。世界史に関わる部分もあるので、社会の勉強に興味を持つきっかけにもできそうです。
『イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社』
2021年2月5日より全国公開
TOCANA
公式サイト
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TEXT by Myson