福岡市内から遠くない場所にあるとされていながら、実際の痕跡を辿る記録が残されていない“犬鳴村”は、日本で最凶の心霊スポットと言われています。旧犬鳴トンネルの先にあると言われている犬鳴村は、ダムが建設されたため、今の日本地図にはなく、トンネルも封鎖されていますが、犬鳴トンネル周辺ではこれまで惨殺な事件が起きており、犬鳴村にまつわる都市伝説に信憑性を与えているようです。本作はこの犬鳴村を舞台に描かれるオリジナルストーリーを映画化したもので、なんとなく“犬鳴村”という響き自体でゾッとさせられるのですが、人間の苦しみ、悲しみも描かれている点で、なおゾワゾワっとさせられます。霊的な怖さもありますが、血筋がテーマにもなっていて、どこを怖い、おもしろいと思うかは、観る人によって変わりそうです。主演は『ダンスウィズミー』で女優としても注目を集める三吉彩花。『ダンスウィズミー』とは真逆の世界観ですが、彼女の凛とした美しさとムードが作品にピッタリ合っているところも見どころです。
邦画ホラーは、生活の中で身近に感じられる要素があるからこそ、本気で怖いと思う人も多そうですよね。コミカルな要素を含んだホラーもありますが、本作は日本最凶の心霊スポットが舞台になっていることもあり、ホラー慣れしていない人にとっては相当怖いのではないかと思います。逆に怖いモノ見たさで興味がある人は、吊り橋効果を狙って、デートで観るのもアリでしょう。
都市伝説で有名な心霊スポットが舞台ということが、映画として最大の興味を引くところであると同時に、観る前から怖すぎて観られないという理由にもなりそうです。免疫がないキッズが観ると、しばらくトラウマになる可能性もあるので、邦画ホラーに免疫がついてから観ることをオススメします。一方、こういったホラーは、怖そうであればあるほど、中学生、高校生なら、友達と行くと盛り上がれそうですね。
『犬鳴村』
2020年2月7日より全国公開
東映
公式サイト
TEXT by Myson
©2020「犬鳴村」製作委員会