“イップ・マン”シリーズは個人的に大好きなので、今回で終わるのはとても寂しいですが、完結編にふさわしいエモーショナルなストーリーと、芸術的なアクションで最後の最後まで楽しませてくれます。今作でイップ・マンは、息子の留学先を手配するため、サンフランシスコに渡ります。そこには中国武術の師匠達が住んでいるのですが、移民としていろいろと苦労しています。一方イップ・マンの弟子ブルース・リーはアメリカで西洋人に中国武術を教えていて、そのことで師匠であるイップ・マンは中国武術の師匠達が取り仕切る中華総会から協力を得ることが難しくなってしまいます。そんななか、人種差別から発した問題が起こり、たまたまサンフランシスコにいたイップ・マンが大活躍するのですが、本当にイップ師匠が強過ぎてカッコ良過ぎ!イップ師匠と太極拳の師匠との闘い、海兵隊の空手の達人との闘いや、ブルース・リーの格闘シーンなど、アクション監督ユエン・ウーピンによる見事なシーンは観ていて鳥肌が立ちます。また人種の違いだけで隔たりができてしまう現実は、今の世界にも通じるところがあり、人間ドラマとしても見応えがあります。イップ師匠が最後の闘いに向かう時のセリフにもしびれますよ。ぜひご覧ください!
ロマンチックなムードになるような作品ではありませんが、ストーリーにもアクションにも引き込まれるので、どんな人が観ても楽しめると思います。今回の舞台はサンフランシスコで、アメリカ人と移民の関係もテーマの1つになっているので、グローバルな話題に興味がある人を誘ってみるのもアリでしょう。本作から観ても楽しめますが、気に入ったらシリーズ前3作もお家デートで一緒に観てはどうでしょうか。
イップ・マンの戦う姿勢や精神から、真に強い人とはどういう人かを学べるので、ぜひキッズやティーンの皆さんに観て欲しい作品です。今作は父と息子の話でもあり、イップ・マンが渡ったサンフランシスコでは女子高生も重要なキャラクターとして登場するので、ティーンの皆さんは特に感情移入しやすいでしょう。アクションがとにかくスゴくてカッコイイので、キッズの皆さんもすぐに引き込まれるはず。親子で観ても、友達と観ても楽しめますよ。
『イップ・マン 完結』
2020年7月3日より全国公開
ギャガ・プラス
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TEXT by Myson