13歳で出会った高橋漣と園田葵の運命が複雑に絡み合っていくのですが、2人の物語に特化しているわけではなく、それぞれにいろいろな経験を経て成長していくストーリーになっているので、群像劇としても楽しめます。キャストもびっくりするほど豪華で、斎藤工、榮倉奈々、二階堂ふみ、成田凌、山本美月、高杉真宙など主役級の人気者が勢揃いしています。物語としては、小松菜奈が演じる葵の人生が壮絶過ぎるので、それだけでも引き込まれるのですが、菅田将暉が演じる漣は漣で一見平穏ながら大きなものを失う人生を歩むので、「2人ともどうか幸せになってください!」と願いながら観てしまう吸引力があります。そして、何といっても菅田将暉と小松菜奈がお似合い過ぎる!プライベートでも交際が囁かれている2人ですが、そこの真偽は別としてラブシーンが本当に素敵なので、本当にくっついちゃって欲しいなんて思いで観てしまいます。ストーリーの巧さと、俳優の名演と、中島みゆきの歌の世界観と、絶妙なコラボレーションをぜひご堪能ください。
壮大なラブストーリーなので、デートで観て欲しいと思う半面、一筋縄ではいかない恋愛、人生を描いているので、観る人によっては複雑な気持ちになる部分もあると思います。今交際している人がいるけど、ずっと心に残っている恋愛がある人は1人で観るか、親友と観るほうが良いと思います。でも、絶対にこうでなきゃという押しつけはないのでご安心を。
若い層に人気の俳優さんがたくさん出ているだけでもティーンの皆さんは興味を持ってくれると思いますが、ストーリーも主人公が13歳の時から描かれていくので、等身大で感情移入できるでしょう。好きな人を守りたい、好きな人と一緒にいたいという気持ちをこんなに強く持てたら、どんなに素敵なことかと感じると同時に、大事な人との繋がりは目に見えなくても消えないんだと感じられて、穏やかな気持ちになれると思います。主人公2人はさまざまな困難にぶつかりますが、力強く生きる姿にも勇気がもらえます。
『糸』
2020年8月21日より全国公開
東宝
公式サイト
© 2020映画『糸』製作委員会
TEXT by Myson