REVIEW
タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと身構えて観る方もいるかもしれません(笑)。でも、抗うのが難しいくらい、涙腺を刺激される作品です。

幼い頃に母親を失った心也(長尾謙杜)と、人に言えない悩みを抱える夕花(當真あみ)は学校で同じクラスで、ひょんなことから一緒に課題をやることになります。何か通じ合うものを感じた2人は“ひま部”を結成し、放課後をともに過ごすようになります。そうして2人はお互いに居場所を見つけたものの、ある出来事によって離ればなれになってしまいます。

本作では、大人になった心也(ディーン・フジオカ)の日々を映した現在と、心也と夕花が高校1年生だった過去の二軸でストーリーが展開します。大人になった心也は夕花の所在を知らず、2人が離ればなれになった後に何が起きたのかが徐々に明かされていきます。

その謎を知っていくおもしろさはもちろんありつつ、まだ若く、か弱い心也と夕花が、一緒に必死でその時を生き、未来に希望を見つけようともがく姿が何より胸に響きます。頭の片隅で、どういういきさつで「おいしくて泣く」ことになるのか想像しながら観る方も多いと思います。その意味を感じるシーンが何度も出てきて、溢れる愛に涙が止まりません。

辛いけれど、優しさに溢れたストーリーに本当に心が癒やされ、長尾謙杜、當真あみの高い演技力によって、余計にウルウルさせられます。安田顕が演じる心也の父もすごく魅力的なキャラクターで、心に残るセリフも複数出てきます。ぜひ多くの方に観てほしい1作です。
デート向き映画判定

お互いをとても大切にする心也と夕花の姿は、とても良いお手本になります。ただし、強い絆で結ばれている2人が主人公だからこそ、本命の相手と観て欲しいです。今のパートナーが本命ではない場合は、1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観るほうが集中して鑑賞できるでしょう。涙腺が弱い方は、ハンカチやメイク直しのグッズを忘れないようにしてください。
キッズ&ティーン向き映画判定

皆さんは思春期の心也と夕花の心情を等身大で感じられるのではないでしょうか。内容は違っても、学校での悩みや家庭での悩みがあって、無力感や孤独感に苛まれる状況は誰もが一度は経験すると思います。友達と一緒に観て相談するきっかけにするのも良し、親子で普段話せないことを切り出すきっかけにするのも良さそうです。

『おいしくて泣くとき』
2025年4月4日より全国公開
松竹
公式サイト
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© 2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
TEXT by Myson
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「おいしくて泣くとき」森沢明夫 著/角川春樹事務所
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情報は2025年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

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