REVIEW
陰陽師、安倍晴明の映画は以前にも作られていたのでそのイメージは強く残りながら観たものの、本作はまったく新しいストーリーといえます。脚本も手掛けた佐藤嗣麻子監督は、原作者である夢枕獏氏のファンで19歳の頃からファンの集いに参加し、その頃に本作の原作を読んだことで、陰陽師や安倍晴明、源博雅を知り、いつか映像化したいと思っていたとのことです。そんな背景もあり、佐藤監督と夢枕獏氏との長年の親交から本作は生まれたとあり(公式サイトより)、思い入れの強さもスクリーンから伝わってきます。
安倍晴明は呪術師として実在した人物です。本作は若かりし頃の安倍晴明を主人公とし、貴族の源博雅との絶妙なコンビネーションを描いたバディムービーともいえます。「呪術師」を魔法使いのような存在と捉える方には「実在した」という表現に違和感があるかもしれません。そんな懐疑的な姿勢の方にこそぜひ観て欲しいのが本作です。とても現実的な解釈で描かれていて、ちゃんとタネ明かしもあります。安倍晴明は、人の心理やそのメカニズムを熟知していたからこそ、呪術師として優れていたことがわかります。なので、心理学に興味がある方にも楽しんでもらえる内容といえます。
そして、なんといっても本作は安倍晴明と源博雅のコンビネーションが見どころです。一見でこぼこコンビの2人がお互いを補い合う姿にホッコリします。また、染谷将太が源博雅の親しみやすさ誠実さを好演。山﨑賢人が演じる安倍晴明は、知的でクールかつ美しくて、凛とした佇まいからも安倍晴明の強さを感じます。和装、長髪をなびかせる姿に、なんてキレイなお顔立ちなんでしょうと改めて思いました(笑)。
意外にもアクションバリバリなシーンも出てきてメリハリも効いています。一粒で何度も美味しい作品となっています。ぜひ、この世界に飛び込んでみてください。
デート向き映画判定
気まずくなるようなシーンはなく、儚いラブストーリーも描かれているので、ロマンチックなムードでキュンキュンできそうです。人間ドラマ、ミステリー、アクションといろいろな要素が含まれていて、キャストも豪華なので、どんな方でも観やすいと思います。初デートでも安心して観られるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定
呪術ものはキッズやティーンに人気のあるジャンルなので、興味を持つ方も多いのではないでしょうか。スピリチュアルな側面と現実的な側面が上手く融合されたストーリーになっているので、物事や人間を新たな視点で観るきっかけにもなりそうです。安倍晴明が戦う姿もカッコいいので、友達と観に行くと鑑賞後に安倍晴明ごっこで楽しめそうです(笑)。
『陰陽師0』
2024年4月19日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
©2024映画「陰陽師0」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年4月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。