REVIEW
累計発行部数650万部を越える人気漫画「OUT」を、大ヒット映画『ドロップ』の品川ヒロシが監督、脚本を担当し映画化。原作の「OUT」は原作者の井口達也の実録漫画(画はみずたまこと作)で、主人公の名前もそのまま井口達也です。井口達也(倉悠貴)は喧嘩に明け暮れる毎日を送るなか、遂に半年間少年院に入れられます。その後出所した達也は、地元から離れた西千葉で焼肉店を営む親戚の元で働くことになります。達也は次に問題を起こせば少年院戻りの保護観察中。でも、達也は近所にいる暴走族”斬人(きりひと)”の安倍要(水上恒司)と出会い、やがて大きな抗争に巻き込まれていきます。
これまでの数々のヤンキー映画の中でも、本作のアクションは見応えがあります。多少の怪我はありそうにしても、安全にこれをどうやって撮っているのかと不思議になるほど臨場感と迫力が満点です。スピード感もあり、立ち回りにも工夫が多く、それぞれのキャラクターの特徴を活かす見せ場もふんだんで、アクションへの並々ならぬこだわりを感じます。同時にそうしたアクションシーンは痛々しさも生々しく、緊張感があります。一方で、笑えるシーンも豊富で、緩急が絶妙です。私は序盤の達也が必死に喧嘩をするのを避けて、要とやり取りするシーンからツボに入り、その後も何度も爆笑レベルのツボにハマりました(笑)。
そして、何といってもキャストが良いです!主演の倉悠貴、岡田健史から改名し本作では安倍要を演じる水上恒司、”斬人”の新人総長あっちゃんを演じる醍醐虎汰朗をはじめ、これからの映画界を背負う若い世代の俳優達が魅力を発揮しています。続編もありそうな匂いを感じたので、キャストの人気上昇も含めて今後も期待したい作品です。ヤンキー映画が大好きな私も大満足だったので、ぜひ同類の皆さんにもオススメします。
カップルで観て気まずいシーンはないものの、激しいバイオレンスシーンがあり、ギリギリのところで直接映さないにしても、結構音は生々しいです。相手がそもそもアクション映画が苦手な場合は、映画デートに誘うには不向きでしょう。ある程度、お互いの許容範囲がわかった状態なら良いと思います。笑えるシーンではツボが合うと一層心の距離も縮まりそうです。
大人と一緒なら小学生でも観られるものの、刺激の強いバイオレンスシーンは怖いでしょうし、内容的にもせめて中学生以上になってから観るほうが良いと思います。高校生が主人公で、アホなやり取りが楽しいので、ティーンの皆さんは親近感が湧くでしょう。熱い友情も見どころで、仲の良い友達と観に行くとお互いの存在の大切さを一緒に再確認できそうです。
『OUT』
2023年11月17日より全国公開
PG-12
KADOKAWA
公式サイト
©2023『OUT』製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2023年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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