前作では意外にも“可愛い”ところがあるヴェノムの魅力が伝わってくる内容でしたが、今作では一層ヴェノムの愛嬌が際立っています。エディ(トム・ハーディ)との「悪人以外は食べない」という約束を守る条件の下、エディの体に寄生することを許されたヴェノムはすっかり地球生活を楽しんでいて、エディとの日常の様子も観ていて微笑ましいです。そして、今作ではエディとの絆が試されるストーリーという点がミソで、キュンとする場面もあります(笑)。
さらに、ウディ・ハレルソンが演じる死刑囚のクレタス・キャサディとその恋人フランシス(ナオミ・ハリス)のキャラクター設定もユニークで、一筋縄では倒せない敵の登場にハラハラドキドキさせられます。また、今作で登場するヴェノムの同種、カーネイジは輪をかけた見た目の気持ち悪さと獰猛さで、スリリングな展開を盛り上げており、エディとヴェノムのコンビが見せるコミカルな展開とメリハリが効いています。
ルーベン・フライシャーが監督を務めていた前作もコメディとSFとホラーの要素が良い感じで織り交ぜられていて監督の手腕をうかがえましたが、今作では“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズのゴラム、『キング・コング』のコングなど、モーション・キャプチャーのキャラクターを演じさせたらピカイチのアンディ・サーキスが監督を務めている点も注目ポイントです。ヴェノムとカーネイジの迫力満点のバトルはぜひ大きなスクリーンでご覧ください。
ちょっとグロいシーンもありますがスピーディに描かれているので、相手がよっぽどの怖がり屋ではない限り誘う上で気にするほどでもないと思います。前作を観ていたほうが楽しめる部分もありますが、ストーリーがシンプルなので、今作から観て気に入ったら前作を一緒におさらいするという順番でも良いと思います。
上映時間は97分と観やすい長さです。テンポ良く物語が展開し、派手なシーンが多いので小学生でも集中力が切れずに観られると思います。ヴェノムのキャラクターがとても魅力的なので、見た目は怖いしちょっと気持ち悪いけれど可愛い=キモカワな場面も存分に楽しめて、皆さんの世代の好みに合うでしょう。友達と観ても楽しいし、大人が楽しめる作品なのでお父さん、お母さんに一緒に行こうとおねだりしてみてください。
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
2021年12月3日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson