REVIEW

AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビスほか

REVIEW:シーズン2

シーズン1は大きな別れがあったので、キャリーにまた恋はできるのか心配でしたね。でも本シリーズは恋愛抜きでは語られないということで、またキャリーに恋の予感が訪れます。年を重ねたキャリーの恋愛の仕方は多少変わったのかと思いきや、少し落ち着いたように見えて、意外に変わってないところも魅力です。そして、まさかの“彼”が登場します。これは”セックス・アンド・ザ・シティ(以下、SATC)”を観ていた方にとってはかなりテンションが上がるはず。同時に結構ご都合主義的な展開もあり、ツッコミどころも満載です。まあでも、これはこれで、もしかしたらファンの期待に応える展開といえるのかもしれないですね。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/ジョン・コーベット

そして、”SATC”と大きく変わった点は、やっぱりミランダですよね。弁護士でもなくなっているし、もう一度学生もやっていて、ジェンダーレスで、まさに第二の人生を謳歌しているキャラクターとなっています。一方、スティーブ(デヴィッド・エイゲンバーグ)はイメチェンに入っている感があります。デヴィッド・エイゲンバーグは『シカゴ・ファイア』で消防士のクリストファー・ハーマンを演じていますが、本作のスティーブが若干ハーマンに寄ってきている感があるのは私だけでしょうか(笑)。筋トレ以外にも「そこも!?」というポイントが後半出てくるのでお楽しみに。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章』シンシア・ニクソン/サラ・ラミ レス

この新章で一番おもしろいなと思うのがシャーロットです。すごく真面目で優しいお母さんで、たまに娘2人に舐められつつも、ここぞという時にはおかん感を振るう姿が笑えます。あとは、シャーロットの友達のアンソニーも欠かせないスパイスになっています。強気な発言と毒舌、どストレートに下品なトークが笑えます。それでいて急にしおらしくなったり、憎めないキャラクターです。
あと、私のお気に入りはニコール・アリ・パーカーが演じるリサです。彼女は品があって、とてもカッコ良い!義母のいびりに耐えながら、子育てと夫のサポート、自分のキャリアとすべて一生懸命で、強く逞しくスマートにこなす様子はリスペクトに値します。同時に夫にチクチクと自己主張する姿も可愛いです。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/クリスティン・デイビス/ニコール・アリ・パーカー/カレン・ピットマン

シーズン1は”SATC”の勘を取り戻しながら作られたような印象が強かったものの、シーズン2に入って”SATC”のノリが返ってきた印象です。だから、正直エグさも戻ってきました(笑)。そして、ニュースでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、あの御方がちらっと登場しますよ。やっぱり、あの御方が出るだけで華やぎます。見た目もほぼ変わっていなくてビックリです。完全復活はなさそうですが、これで少し場外騒動に一区切りついたという感じでしょうか。本シリーズはシーズン3の制作も決まったとのことで、まだまだ楽しませてもらえそうです。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビスほか

『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章 シーズン2』
2023年6月22日よりU-NEXTにて配信中
公式サイト U-NEXTで観る

©2023 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO MaxTM is used under license.

TEXT by Myson

REVIEW:シーズン1

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビス

30代の個性豊かな独身女性4人の日常を赤裸々に描いた“セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)”(1998~2006年作品/日本では2000年から放送)のその後を描いた本シリーズは、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)、ミランダ(シンシア・ニクソン)、シャーロット(クリスティン・デイビス)の3人をメインキャラクターとして物語が構成されています。さまざまな噂は耳にしていたので、それらが本当だとすると仕方がないと思いつつ、やっぱりサマンサ(キム・キャトラル)がいないのはかなり寂しいです。姿は見せないものの、サマンサの存在は残るよう構成に工夫は見られますが、こうして彼女がいないストーリーを観ると、改めてオリジナルの4人のバランスの良さを感じずにはいられません。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビス

ただ、キャリー達のリアルな日常を描くというスタイルは貫かれています。本シリーズでキャリー達は50代半ばという設定なので、老いもテーマに加わっています。“SATC”はセックスライフが赤裸々に語られている点で、放送当時とても先進的でした。それから十数年経ち、性について語ることにハードルが下がってきているなか、次のテーマにチャレンジしているのだなという姿勢が伝わってきます。何より、個人的に“SATC”から好きなポイントは、カッコ悪いところ、みっともない姿も見せちゃうところ。そういうスタンスは健在で、ありのままの自分や現状を受け入れて前進しようともがくキャリー達の姿に何だか癒されます。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビス/ウィリー・ガーソン

そして、スティーブ、ハリー、スタンフォード、アンソニーなど、脇を固めるキャラクターも健在です。ただ、スタンフォードを演じていたウィリー・ガーソンは2021年9月に57歳の若さでガンで亡くなられたとのことです。とても寂しいですが、今シーズンの前半は懐かしい姿を観られるのでぜひ注目してください。また、ミランダやシャーロットの子ども達が大きくなっていて、親子のやり取りも印象的に描かれています。中でも個人的にツボだったのはシャーロットが娘にタ○ポ○の使い方を指南するエピソード。娘目線では“女子あるある”で笑えるし、母の立場であれやこれやと工夫して指南するシャーロットの言動もかなり可笑しくて、シャーロットのキャラクターが一層活かされているエピソードとなっています。
本シリーズの続編はあるのか、現時点(2022年5月30日現在)ではまだ正式な発表はありませんが、続きがあるならもう少し観てみたいと思います。

海外ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』サラ・ジェシカ・パーカー/シンシア・ニクソン/クリスティン・デイビス

『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』
2021年12月29日よりU-NEXTにて配信中
公式サイト U-NEXTで観る

©2021 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年3月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年3月】のアクセスランキングを発表!

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

劇場版『トリリオンゲーム』今田美桜 今田美桜【ギャラリー/出演作一覧】

1997年3月5日生まれ。福岡県出身。

中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』オリジナルQUOカード(500円分) 2名様プレゼント

中国ドラマ『このロマンスはフィクションだから』オリジナルQUOカード(500円分) 3名様プレゼント

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬
  2. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  3. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
  4. 映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ
  5. 映画『ベイビーガール』ニコール・キッドマン/ハリス・ディキンソン

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP