REVIEW
ニコール・キッドマン(主演兼製作総指揮)と『フェアウェル』のルル・ワンがタッグを組んだ本シリーズは、香港を舞台に描かれた、ある出来事によって運命が狂ってしまった人達の群像劇です。
1話目の冒頭には、本作のテーマがユニークな表現で示され、これから登場するキャラクター達に何が起きたのか、どんな関係で結ばれているのか、興味をそそります。そして、2話目でキャラクター達の関係を乱すきっかけとなった出来事の詳細が語られ、それぞれが抱える悩みが浮き彫りにされていきます。
本シリーズはキャラクターそれぞれがさまざまなルーツを持っている点が特徴的で、国民と移民、富裕層と貧困層、女性と男性など複数の視点で描かれています。なので、観る側としては何かしらキャラクター達に共感、感情移入するポイントが見つかると思います。
もう一つ、大きなテーマは女性にとっての子どもです。子どもを持つこと、持たないこと、その価値観が影響を及ぼすパートナーとの関係、そして、母としてではなく自分自身の人生の選択肢、というようにさまざまなタイプの人生が描かれています。異国の生活ともなると、それが余計に複雑で、女性の人生で何を優先するかを決める難しさを実感します。
異国に住めば、自分は何者かということも意識せざるを得ない点も本シリーズを観ると伝わってきます。こうした点は『フェアウェル』を撮ったルル・ワン監督の得意とするところで、本作でもその手腕が発揮されています。香港の風土もリアルに感じられるので、異国に住む感覚もぜひ味わってください。
『エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』
2024年1月26日よりPrime Videoで独占配信中
Amazonプライムビデオで観る
© Amazon MGM Studios
TEXT by Myson
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情報は2024年4月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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