REVIEW

モアザンワーズ/More Than Words

  • follow us in feedly
  • RSS
Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』藤野涼子/青木柚

原作を知らず、前情報を入れずに観ると、予測できない展開を一層楽しめると思います。私はどんなストーリーかまったく知らずに観たので、登場人物達が岐路に立たされる度に迫られた選択がその場では最良の選択だと思えました。でも、その後には予想外の展開が続き、キャラクター達の戸惑いを臨場感を持って味わえたように思います。だから、この作品についてまだ何も知らない方は、メインキャラクター達の設定すら知らないまま観ることをオススメします。Amazonの視聴ページのあらすじには、彼等がどんな関係になるか書かれているので、読みたくない方は要注意です。ただ、なぜあらすじに書かれているかというと、かなり展開が早く、その部分は全編でいうと序盤のほうにあたります。なので、既にあらすじを読んじゃったという方も、その後の展開のほうが深くて濃いので安心して観てください。

Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』青木柚/中川大輔

本作にはいくつかテーマがあって、マイノリティのお話という観方もできます。ただ、個人的にはそこよりもメインのキャラクター達がアイデンティティと自分の居場所を探す物語だと感じました。若者が一緒にいて居心地の良い仲間を見つけて、ずっと幸せにいられるかと思いきや、大人になるにつれ、自分達だけの世界に留まることができなくなっていく。そんな状況下で、その関係を守りたくてとった言動が予期せず誰かを傷つけてしまう…。置かれている状況などが違っても、同じようなことを誰もが経験しているはずです。本作に登場するキャラクターはお互いのことを思っているからこそ、関係がこじれていく展開がとても切なく映ります。

Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』青木柚/兼近大樹(EXIT)

1話目の冒頭シーンに緊張感がありグッと惹きつけられた後、2話あたりまでほのぼのしたストーリーが続き、3話目あたりからギュンと加速して物語が展開していきます。日常を映し出していて、映像的な派手さはそれほどありませんが、キャラクター達の心の動きがかなり激しいドラマチックな作品です。ストーリー、演出、実力派俳優達の演技と見応え抜群。映画好きにもオススメのドラマです。

Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』藤野涼子/青木柚/中川大輔

『モアザンワーズ/More Than Words』
2022年9月16日よりAmazon Prime Videoにて配信開始
公式サイト

© 2022 NJcreation, All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト HERE 時を越えて【レビュー】

映像作家としてあらゆる挑戦を行ってきたロバート・ゼメキス監督は、本作でも新たな挑戦の成果を見せてくれています…

映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング アンジェントルメン【レビュー】

本作は「近年機密解除された戦時中の極秘ファイルを後ろ盾にしたダミアン・ルイス著 『Churchill’s Secret Warriors: The Explosive True Story of the Special Forces Desperadoes of WWII』」を原作としており…

映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年3月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年3月】のアクセスランキングを発表!

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト
  2. 映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング
  3. 映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬
  4. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  5. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP