“トイ・ストーリー”シリーズで、アンディ少年のお気に入りのおもちゃとして登場する“バズ・ライトイヤー”は、実はアンディの大好きな映画の主人公だったという背景があり、本作はまさにその映画にあたります。これまでおもちゃとして見ていたバズが人間として登場する映画ってどんな風に見えるのだろうと思っている方もいるかもしれませんが、前述の設定からすると、意外に違和感なく観られます。そして、アンディが大好きになるくらいですから、バズはカッコ良くないといけないわけですが、本作のバズは過酷な任務に挑み、責任感と正義感が強く、しっかり憧れの対象となるようなキャラクターとして描かれています。でも、完璧なヒーローというわけではなく、最初は孤独に戦いながら、失敗を重ねてチームワークを学んでいく姿が描かれていて、そういった点で共感を呼ぶ面も持っています。
登場するキャラクターも個性的で、特に猫型ロボットのソックスがキュートです。全体的に思った以上に実写ノリのSFアクションという雰囲気なので、ソックスが癒やしと笑いを届けてくれる存在となっています。私は日本語吹き替え版で観ましたが、バズを演じた鈴木亮平、イジーを演じた今田美桜の声はピッタリと役にハマっています。オリジナル(字幕版)はクリス・エヴァンスがバズの声を演じているので、洋画ファンとしては字幕版にも魅力を感じます。
本作は“トイ・ストーリー”シリーズとして観るのも良し、真っ新な気持ちで観るのも良しの作品です。逆に本作から観て、“トイ・ストーリー”シリーズを観るとどう見えるのかも気になるところです。“トイ・ストーリー”シリーズを観たことがない方は、敢えてその順番で観ると、アンディ少年と同じ気持ちで観られるのではないでしょうか。いずれにしても、本作を観る前、観た後に“トイ・ストーリー”シリーズを再度振り返ると、一層楽しめそうです。
老若男女楽しめる作品なので、どんなカップルのデートでも安心して観られます。“トイ・ストーリー”シリーズを知らなくても全く問題はなく、本作から観る方、“トイ・ストーリー”シリーズをよく知っている方が一緒に観ると、お互いにどんな印象を受けたのかで鑑賞後の会話が盛り上がりそうです。“トイ・ストーリー”シリーズを予習、復習したくなったら、その分デートの回数も増えて一石二鳥ですね。
本作では、バズが自分の失敗、仲間の失敗とどう向き合うのかを描いており、ストーリーの重要な部分となっています。チームワークとは何ぞやということを考えるきっかけにできると思うので、ぜひお友達やチームメイトと一緒に観て欲しいです。また、キッズの皆さんは、“トイ・ストーリー”でバズ・ライトイヤーのおもちゃを大事にしているアンディ少年と同じような気持ちで本作を楽しむことができるのではないでしょうか。子ども心に本作を観た上で、改めて“トイ・ストーリー”シリーズを観てみると、“トイ・ストーリー”の世界も一層身近に感じられそうです。
『バズ・ライトイヤー』
2022年7月1日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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TEXT by Myson