REVIEW

フラッシュオーバー 炎の消防隊

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』ドゥー・ジアン

冒頭からかなり危険度の高い救出劇が繰り広げられるので、一瞬にして物語の世界に引き込まれます。そして、ほっとしたのも束の間、町全体を破壊しかねない規模の大爆発事故が起こります。本作の9割は、この大火災の救助シーンで構成されており、救助隊がとにかく命懸けで人命救助に励んでいる姿に圧倒されます。監督を務めるのは“the EYE”シリーズのパン兄弟としてもお馴染みのオキサイド・パン。オキサイド・パン監督は本作でもスリリングで生々しい描写で観る者を惹きつけます。
映画公式サイトによると、タイトルにある“フラッシュオーバー”とは、「局所的な火災が短時間にして全域に拡大する現象の総称」とあります。火災の現象というと、映画好きの皆さんは映画『バックドラフト』を思い出すでしょう。この2つの現象の違いについて、“消防庁消防大学院 消防研究センター”のWEBサイトでは「フラッシュオーバーが、空気供給をうけながら火災拡大していく過程で起きるのに対し、このバックドラフトは、空気不足でいったん火災成長が抑制された後に発生するという点で大きな違いがあります」と説明しています。本作で描かれるフラッシュオーバーの意欲は想像を絶する規模で、その破壊力に驚きます。本作では、架空の都市を舞台にしていますが、本当にこんなことが起こったら…とゾッとさせられます。
とにかく最初から最後まで緊張感がMAXのまま続きます。やっと終わったと思った先にはさらなる人間ドラマが描かれていて、ラストは涙なしには観られません。そして、改めて人命救助に携わる皆様に感謝、感謝です。

デート向き映画判定
映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』ドゥー・ジアン

迫力のある映像と人間ドラマで見応えがあり、ほどよくラブロマンスも含まれていて、デートで観るのも良いでしょう。本作の登場人物のように消防士など危険を伴うお仕事に就いている方、もしくは目指している方は、日々いろいろな不安や心配を抱えていると思います。大切な人と一緒に観て、普段いえない本音をぶつける機会にするのも良いかもしれません。あと、鑑賞中は人によって涙でグズグズになる可能性があるので、映画館にはハンカチ、ティッシュを持参しましょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』ドゥー・ジアン

消防隊の仕事がいかに大変であるかを知ると同時に、どれだけ大切な仕事かもわかると思います。もし人命救助の仕事に興味があれば、消防隊の中でもいろいろな役割があるとわかるので、自分はどんなことで役に立てそうかシミュレーションしてみるのも良いでしょう。かなり迫力がありリアルなので、キッズには少し怖いかもしれません。

映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』ドゥー・ジアン/ワン・チエンユエン/トン・リーヤー

『フラッシュオーバー 炎の消防隊』
2023年10月6日より全国公開
アルバトロス・フィルム
公式サイト

© 2023 ALL RIGHTS RESERVED BY UNIVERSE ENTERTAINMENT LIMITED /ASIA PACIFIC CHINA (BEIJING) FILM CO., LTD.

TEXT by Myson


関連作

『バックドラフト』

Amazon Prime Videoで観る U-NEXTで観る 

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。情報は2023年10月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン ケナは韓国が嫌いで【レビュー】

自分の現状に違和感を持っていても、打破しようと行動を起こすのは…

映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン 『ミッキー17』ポン・ジュノ監督登壇!ジャパンプレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『ミッキー17』ポン・ジュノ監督登壇!ジャパンプレミア試写会 5組10名様ご招待

映画『35年目のラブレター』笑福亭鶴瓶/原田知世 35年目のラブレター【レビュー】

戦時中に生まれ、家庭の事情から小学校を卒業できないまま大人になった主人公と、彼を支えた妻の物語を描いた本作は、実在する西畑保氏…

映画『敵』長塚京三 長塚京三【ギャラリー/出演作一覧】

1945年7月6日生まれ。東京都生まれ。

映画『デビルズ・ゲーム』チャン・ドンユン/オ・デファン ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き29】2025年3月前半「気になる映画とオススメ映画」

今回は、第97回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞した『ANORA アノーラ』の話題からスタート。その他、ソダーバーグ監督のホラー、ニコラス・ケイジ最新作など、さまざまな作品を取り上げました。

映画『Playground/校庭』マヤ・ヴァンダービーク/ガンター・デュレ Playground/校庭【レビュー】

子ども達はいつも戦っていて、大人の世界とは異なる過酷な毎日を過ごしている…

映画『ワンダー 君は太陽』ジュリア・ロバーツ/ジェイコブ・トレンブレイ 学びが詰まった映画『ワンダー 君は太陽』【映画でSEL】

前記事で、商業映画とSEL(社会性と情動の学習)は相性がバッチリだと書きました。今回はこれぞ学べる映画と感じた作品を取り上げます。

映画『プレゼンス 存在』ルーシー・リュー プレゼンス 存在【レビュー】

スティーヴン・ソダーバーグが撮ったホラー映画ってどんな作品なのか…

【映画でSEL】複数子ども手を繋ぐ後ろ姿 SEL(社会性と情動の学習)における映画鑑賞のススメ【映画でSEL】

なぜ本サイトでSELを紹介するのか、少し私の話を書きます…

映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年2月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年2月】のアクセスランキングを発表!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』トム・ホランド/ゼンデイヤ 映画好きが選ぶマーベル映画ランキング

2025年もマーベルシリーズ最新作が公開されます。そこでこれまでのマーベルシリーズも合わせて盛り上げたいということで、ランキングを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ワンダー 君は太陽』ジュリア・ロバーツ/ジェイコブ・トレンブレイ
  2. 【映画でSEL】複数子ども手を繋ぐ後ろ姿
  3. 映画『インサイド・ヘッド2』

REVIEW

  1. 映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン
  2. 映画『35年目のラブレター』笑福亭鶴瓶/原田知世
  3. 映画『Playground/校庭』マヤ・ヴァンダービーク/ガンター・デュレ
  4. 映画『プレゼンス 存在』ルーシー・リュー
  5. 映画『ゆきてかへらぬ』広瀬すず/木戸大聖/岡田将生

PRESENT

  1. 映画『ミッキー17』ロバート・パティンソン
  2. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
  3. 「第6回大島渚賞」
PAGE TOP