美味しそうな食べ物がたくさん登場するので、観賞後は飲食店に駆け込みたくなること間違いなしです(笑)。本作は、食通としても有名なダチョウ倶楽部の寺門ジモン初監督作品で、食を通じて親子愛や人生の悲喜こもごもを描いています。主演は、EXILE NAOTOと土屋太鳳で、この2人がグルメライターと編集者として、さまざまな焼肉店を巡ります。食事シーンのこだわり具合は、さすが寺門ジモン!EXILE NAOTOが演じる良人が、お肉の焼き加減や食べるタイミングにこだわる姿を観ていると、「監督も実生活ではこんな感じなのかな」と想像してしまいます(笑)。
そして、物語のキーとなっているのが母の味。どんなに高級店に行って美味しいものを食べることができても、やっぱり母の味だけは母にしか出せないもの。本作では、良人がある食べ物で母の味を再現しようとしますが、なかなか上手くいきません。その行く末は本編をご覧いただくとして、食はただ美味しい不味いだけでなく、人間関係にも大きく影響していることを感じます。美しく映る食事は本当に食欲をそそりますし、映画好き、食好き共に楽しめる作品です。ただし、鑑賞中にお腹が鳴るのだけは注意してくださいね(笑)。
デートにもオススメです。美味しそうな食事シーンがたくさん登場するので、観賞後に、そのままの流れで食事にも誘いやすいと思います。ただ、良人のような食通で、焼肉の焼き方や食べるタイミングなど、あまりこだわりを全面に押し出してしまうと、相手によっては引いてしまうので、相手と一緒に食事を楽しむことを忘れないようにしてください。
キッズもティーンも良人の子ども時代の視点で楽しめると思います。本作の親子関係はあることをきっかけにこじれてしまいますが、その原因は何だったのか、また、皆さんならどうするか考えながら観てみてください。そして、今まさに家庭の味を食べている皆さんは、これを機に食事作りを手伝ってみたり、好きな家庭料理の味を教わってみるのも良いと思います。
『フード・ラック!食運』
2020年11月20日より全国公開
松竹
公式サイト
TEXT by Shamy
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