REVIEW
「ふたりで終わらせる」というタイトルがすごく効いていて、鑑賞中もどの2人を指しているのかなと想像が掻き立てられます。そして、結末で「そういうことか!」となるわけです。そんな本作は、2022年アメリカで最も売れた恋愛小説とされ、全世界で約1000万部を超えるベストセラーとなった、コリーン・フーヴァー著「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」を原作としています。ちなみに、原作者のコリーン・フーヴァーは本作で、主演のブレイク・ライブリー、脚本担当のクリスティ・ホールと共にプロデューサーも務めています。
主人公のリリー・ブルーム(ブレイク・ライブリー)は、父親(ケヴィン・マクキッド)が亡くなったのを機に実家に戻ります。そして、ひょんな状況でライル・キンケイド(ジャスティン・バルドーニ)と出会い、2人は惹かれ合います。リリーとライルが時間をかけてゆっくり関係を築いていく様はとてもロマンチックに描かれています。でも、「何かを“ふたりで終わらせる”んだよね?」とずっと頭の片隅で考えながら観ているので、嫌な予感がまとわりついたまま、ロマンチックな展開にドキドキさせられます。
本作には、2人の男性が登場するわけですが、2人とも魅力的!まず、ライル・キンケイドを演じたジャスティン・バルドーニ、めちゃカッコイイじゃないですか!私が今まで知らなかっただけなのですが、「今までどこにいたのよ!」となりました(笑)。ちなみにジャスティンは本作の監督も務めていて、多才なところも憎いです。そして、もう1人、ブランドン・スクレナーが演じるアトラス・コリガンが女心をくすぐります。リリーはライルと幸せいっぱいのはずなのに、アトラスの出現で、「どうすんの!? どうなんの!?」という展開が盛り上がっていきます。同時に、この展開の背景には、男女関係にまつわる社会問題が絡んでいる点で、リリーとライルのすごくロマンチックなシーンに深い意味が込められているとわかってきます。
本作は、ある社会問題と切っても切り離せない恋愛関係を描いています。主人公の勇気ある決断は、同じような問題を抱える方達へのエールにも思えます。同時に恋愛観、ひいては人生観にも一石を投じる内容です。女性はもちろん、男性にも観て考えて欲しいテーマが描かれています。
デート向き映画判定
前半はとてもロマンチックでありながら、後半は恋愛関係の難しさを描いていて、正直なところ鑑賞後に微妙な空気になるカップルもいるかもしれません。でも、カップルにとってとても重要な内容が描かれているので、真剣交際をしているなら敢えて一緒に観るのも良いと思います。逆に、心のどこかで今の関係に不安を抱えている方は、1人でじっくり観るのも良いと思います。主人公と同じ問題を抱えているわけではなくとも、自分にとって何が大事なのかを整理するきっかけにできそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定
恋愛に関心が出てくる年頃なら、将来の参考になる部分があると思います。恋愛関係の甘い部分だけではなく、苦い部分も描いている点で、恋愛に対する理想は少し壊れてしまうかもしれません。でも、恋愛に盲目になって不幸な道を進むよりは、こういうことも起こり得るという冷静で客観的な視点も持っていたほうが、お互いの幸せを考えられる姿勢を身につけられると思います。
『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』
2024年11月22日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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TEXT by Myson
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「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」コリーン・フーヴァー 著/二見書房
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「イット・スターツ・ウィズ・アス ふたりから始まる」コリーン・フーヴァー 著/二見書房
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情報は2024年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。
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