舞台はニューヨーク、主人公はストリップクラブで働く女性達。2008年リーマン・ショック後、不況の煽りを受けたストリップクラブのダンサーが、ウォール街の裕福な男達から数年に渡って大金を巻き上げ、2013年に摘発。本作は実話を基にしており、記者のジェシカ・プレスラーが2013年から当事者や警察など関係者に取材し、2015年に「NewYork Magazine」誌に掲載された記事“ザ・ハスラーズ・アット・スコア(原題:The Hustlers at Scores)” から着想を得て製作されました。主演の一人は世界的にヒットを飛ばした映画『クレイジー・リッチ』のコンスタンス・ウー、そしてW主演、製作総指揮をジェニファー・ロペスが務めています。序盤でダンスステージのシーンがありますが、50歳とは思えないジェニファー・ロペスのダイナマイト・ボディと筋力、ダンス力に圧倒されると同時に、役柄的に当然ながら身につけている衣装の小ささに「キャー!足開いちゃだめ〜」とドギマギします(笑)。前半はそんな派手さがあり、景気の良いきらびやかな時代に出会った、ジェニファー・ロペスが演じるラモーナと、コンスタンス・ウーが演じるデスティニーの友情物語でありサクセスストーリーというテンションなのですが、それぞれの状況の変化を経て、物語はガラッと様相を変えていきます。この流れの中で映し出される女性同士の関係は、私達誰もが経験するもので、そういった意味では身近なお話。また彼女達が犯罪に手を染めていってしまうという点については、誰にでも身近なことではありませんが、お金に苦しみ、生活がうまく立ちゆかなくなった時、人は間違った方向に突っ走ってしまうという意味では、普遍的なテーマを扱っていると言えるのではないでしょうか。犯罪の真相を描いているだけではなく、友情がどう生まれ、どう壊れていき、その後どうなるのかというところに軸を置いている点で、女性はもちろん、老若男女問わず共感ポイントが詰まった作品です。
ストリップクラブが舞台となっているので、セクシーなダンスシーンや、性欲むき出しの男性達の姿など、観ていてお互い何となく気まずい部分があるでしょう。弱肉強食の世界を描いていて、男女共に関心を持つであろうストーリーですが、デートで観るには複雑な心境になりそうです。そういうのも割り切れるくらい、一緒にいろいろな映画を観てきたカップル以外は、わざわざデートで観ずに、1人で観るか、仲の良い友達と観るのが良いと思います。
ストリップクラブが何となくどんな場所かはわかると思いますが、キッズはまだ知らなくて良い世界だと思うので、大きくなってから観てください。ストリップクラブ、ダンサーの性的要素にフォーカスしたストーリーではなく、大事な友情でもこんな風に変わってしまうことがあるのだなと学べる部分があるので、そういった背景まで理解して観て欲しいです。
『ハスラーズ』
2020年2月7日より全国公開
ツイン
公式サイト
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TEXT by Myson