REVIEW
徳島の高等専門学校を舞台に描かれている本作は、個性がバラバラの3人の生徒がeスポーツの大会に出場した実話をベースにしています。モデルとなったのは、2018年に初めて開催された“全国高校eスポーツ選手権”で決勝戦まで進出した阿南高専の“Kamase Dogs”。古厩智之監督はモデルとなった生徒達にインタビューをした上で、実際の彼等のイメージや体験談を活かしながら、俳優達が醸し出す雰囲気やアイデアも取り入れて映画化したそうです(映画公式資料より)。
高校生達が大会を目指す物語と聞くと、部活ベースかなと勝手に想像してしまいますが、そうではありません。大会が開催されることを知った田中達郎(鈴鹿央士)が、急遽メンバーを募集して、友達でもなかった3人が即席でチームを組んで大会に出場します。その3人の距離感は今どきの高校生といった感じで一見クール。そういう意味で、熱さがウリの青春映画とは異なる点が本作の魅力でありつつも、やっぱり後半は彼等の中に沸々としたものが芽生えてきて、観ているこちらにも伝わってくるものがあります。そして何より、勝ち負けよりも今という時を大切に過ごすというスタンスに共感を覚えます。
奥平大兼、鈴鹿央士、小倉史也が演じるキャラクターもそれぞれ個性が光っています。授業中や放課後、家族との時間、そして、メンバー同士のたわいもないやり取り、どのシーンもティーンの等身大の姿として映ります。切ないシーンもありながら、高校生らしいやり取りにはクスッと笑えたり、キュンとしたり、映画を観ている時間は自分も高校生になったつもりで観られます。主人公達と同世代の方はもちろん、大人も“楽しむ”ことの大切さを改めて体感できる作品です。
デート向き映画判定
デートで観るにもちょうど良い程度に、高校生らしい爽やかでキュンとする恋愛模様が描かれています。友達以上恋人未満のカップルは何らか触発されるところがあるかもしれません。1歩踏み出せないでいる方は、思い切って好きな相手を誘ってみると良いでしょう。ティーンが主人公とはいえ、大人が観ても共感できる内容で、鑑賞後は清々しい気持ちになるので、年齢問わず気分転換にオススメです。
キッズ&ティーン向き映画判定
楽しみながら何かに一生懸命になるのも良いなと思わせてくれるストーリーです。そして何より実話ベースなので、伝わってくるものに説得力があります。勝ち負けにこだわる部活や習い事に励むのももちろん良いですが、ちょっと疲れたなと感じていたり、好きだったはずのことが楽しめなくなっているなと感じていたら、本作を観ると良い意味でリラックスできると思います。
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
2024年3月8日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト
©2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年2月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。