「25年分のラストシーン」ってどういう意味なんだろうと思いながら観てみたら、最終的には「なんてロマンチックなんでしょう!」となるのですが、一方で「■■を○○には長過ぎるやろ!」となります。もうとにかく主人公のマックスは、こじらせ男子にもほどがあります(笑)。マックス自身がカメラにずっと撮ってきた幼なじみ達との日常を捉えた映像には、シャイボーイの目線、強がっちゃう男子の見栄、素直になれない自分への苛立ちなど、いろいろな感情が収められています。そういうところで女子は敏感というか、何かしらビビッとくるものを感じて、彼が動けるようにきっかけを作ってあげるのですが、マックスは動かない、動けない。それの繰り返しで、女子からすると現実的に考えるしかなくなります。さてマックスの恋がどうなるのかは、本編で確かめて頂くとして、これをリアルに体験するには忍耐が必要ですが、25年分のロマンチック要素をギュッと2時間ほどに収めているので、ぜひ浸ってください。やっぱり男子のほうがロマンチックなんだなあと思える1作です。
相思相愛のカップルは、高みの見物で主人公のじれったい恋愛の行方を見守るように楽しめると思います。友達以上恋人未満、もしくはそこまでにも至っておらず、相手が煮え切らない状況に悶々としている人は、ぜひその人を誘ってみてください。やんわりと「私は25年も待ちませんよ」とシグナルを送って、進展を促しましょう(笑)。
主人公達がキッズやティーンの皆さんと同じ世代の頃を映したシーンでは、等身大で友達との関係や恋愛、興味関心などに共感しながら観られると思います。でも、どんどん大人になるにつれ、じれったさを感じると思うので、反面教師的に観るのもアリです。一方で、こんなに好きになれる人に今出会っているかもしれないと気付くきっかけになるかもしれませんよ。
『PLAY 25年分のラストシーン』
2020年11月6日より全国順次公開
PG-12
シンカ、アニモプロデュース
公式サイト
©2018 CHAPTER 2 – MOONSHAKER II – MARS FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – CHEZ WAM – LES PRODUCTIONS DU CHAMP POIRIER/ PHOTOS THIBALUT GRABHERR
TEXT by Myson