REVIEW

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』ナオミ・アッキー

ホイットニー・ヒューストンって、本当にスゴい人だったんだなと改めて知りました。1985年、デビューアルバム“Whitney Houston”が大ヒットし、一気にスターダムにのし上がったホイットニーは世の中に迎合することなく、自分の感性で大スターの座を勝ち取った人だとわかります。今観ると、彼女は時代の何十年も先をいっていて、今やっと時代が彼女に追いついたという印象です。だから歌手としてはもちろん生まれつきのスターだったんだなということが本作から伝わってきます。
ただ、希代のスターになり大金を手に入れるようになると、やはり人間関係がおかしくなり、精神的に追い詰められていきます。これまでさまざまなスター達の実話が映画化され、皆精神的に病みドラッグなどに溺れていく様子を見てきましたが、彼女も残念ながら同じ道をたどります。スターであればあるほど、イヤでも周りの反応で自分の人気の変化を目の当たりにするので、自分の存在価値がわからなくなり、不安で押しつぶされていくのだなと実感します。彼女は最初自分を強く持っていたからこそパワフルで自信に満ちあふれていました。でも、ここまで大きな存在になると周囲の期待に応えなければという思いが強くなるのは当然です。彼女を観ていると、人に期待される自分になることと、自分らしくあることの両立はとても難しいとわかります。
そんな切ないストーリーながら、ホイットニーのパワフルな歌を聞けるのは本作の醍醐味です。本作の公式資料によると、劇中で使われたホイットニーの名曲22曲は、「オリジナル音源をリミックスして(主演の)ナオミ・アッキーの演技に合わせた完璧なサウンドを劇場で再現することができただけでなく、マルチトラック音源によりアッキー自身の演技をより引き立てることが可能となった」とあります。劇中の歌唱シーンの数々は本当に見応えがあるので、ぜひ大きなスクリーンでホイットニー・ヒューストンのステージを楽しむ感覚でご覧ください。

デート向き映画判定
映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』ナオミ・アッキー

ホイットニー・ヒューストンの恋愛関係、夫婦関係も描かれていて、彼女の運命を大きく動かす要素となっています。いろいろと考えさせられるところがあるので、デートで観るよりも1人でじっくり観るか、仲の良い友達と観て、自分の恋愛観、結婚観を振り返るきっかけにするほうが良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』ナオミ・アッキー/スタンリー・トゥッチ

ホイットニー・ヒューストンは、2012年にこの世を去りました。なので、キッズやティーンの皆さんはホイットニー・ヒューストンをあまり知らないかもしれません。でも、歌は聴いたことがある方もいるのではないでしょうか。華やかなショービズの世界の光と闇を描いていて、内容からしてもせめて中学生以上になってから観るほうが良いですが、ホイットニーの生き様から学べるところもあります。興味を持ったら観てみてください。

映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』ナオミ・アッキー

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
2022年12月23日より全国公開
PG-12
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『マイ・インターン』アン・ハサウェイ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外40代編】総合

今回は、海外40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集部の独断で80名選抜し、正式部員の皆さんに投票していただきました。今回はどんな結果になったのでしょうか?

映画『ザ・バイクライダーズ』オースティン・バトラー ザ・バイクライダーズ【レビュー】

“バイクライダー=バイク乗り”とは、どんな人物をいうのでしょうか…

Netflix映画『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』マイケル・ジョーダン 心が弾む!バスケットボール映画特集

バスケットボール人気が出てきているのを感じる昨今。…今回は、バスケットボールにちなんだ作品をズラリとご紹介します。

映画『リュミエール!リュミエール!』 リュミエール!リュミエール!【レビュー】

映画の始まりが述べられる際、トーマス・エジソンと、リュミエール兄弟(ルイとオーギュスト)の名前がよく挙がります…

映画『デューン 砂の惑星PART2』ゼンデイヤ ゼンデイヤ【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月1日生まれ。アメリカ出身。

映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マチュー・アマルリック チネチッタで会いましょう【レビュー】

タイトルに入っている“チネチッタ”とは…

Netflixドラマ『さよならのつづき』有村架純/坂口健太郎 ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き22】2024年11月後半「気になる映画とオススメ映画」

今回は、2024年11月後半に劇場公開される邦画、洋画、Netflixの最新ドラマについてしゃべっています。

映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ Back to Black エイミーのすべて【レビュー】

類稀な才能を持つ歌姫エイミー・ワインハウスは、2011年7月、27歳の若さで逝去…

映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』川栄李奈さんインタビュー 『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』川栄李奈さんインタビュー

真面目な公務員と天才詐欺師チームが脱税王との一大バトルを繰り広げるクライムエンタテインメント『アン…

映画『ドリーム・シナリオ』ニコラス・ケイジ ドリーム・シナリオ【レビュー】

ニコラス・ケイジ主演、『ミッドサマー』のアリ・アスターとA24が製作、さらに監督と脚本は『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリと聞けば、観ないわけには…

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『マイ・インターン』アン・ハサウェイ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外40代編】総合

今回は、海外40代(1975年から1984生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集部の独断で80名選抜し、正式部員の皆さんに投票していただきました。今回はどんな結果になったのでしょうか?

映画『淪落の人』アンソニー・ウォン/クリセル・コンサンジ 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.2

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』ムロツヨシ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内40代編】個性部門

個性豊かな俳優が揃うなか、今回はどの俳優が上位にランクインしたのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『ザ・バイクライダーズ』オースティン・バトラー
  2. 映画『リュミエール!リュミエール!』
  3. 映画『チネチッタで会いましょう』ナンニ・モレッティ/マチュー・アマルリック
  4. 映画『Back to Black エイミーのすべて』マリサ・アベラ
  5. 映画『ドリーム・シナリオ』ニコラス・ケイジ

PRESENT

  1. 映画『バグダッド・カフェ 4Kレストア』マリアンネ・ゼーゲブレヒト/CCH・パウンダー
  2. 映画『型破りな教室』エウヘニオ・デルベス
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP